LINEの間隔の感覚
LINEというものがある。メッセージを送り合うサービスで、いまは日本人でスマートフォンを使うユーザのほとんどの人が利用している。
LINEに関して、こういう話がある。
「自分がメッセージを送る。相手の返信が1時間かかるとする。すると、自分も1時間後に返信をしたくなる。逆にすぐに返信をくれる相手だと、すぐに返信をしようと思う」
ゲーム理論を紐解けば、この「やられたことをやり返す」ことの有用性がわかる。そして、ゲーム理論を学ばなくとも、我々は因果応報という言葉で、世の中の摂理を叩き込まれている。すなわち、LINEのレスが遅い者には遅いレスを、早い者には早いレスを。
すなわち、LINEのはもはや内容ではなく間隔によってコミュニケーションが生まれている。最初は間が開いていた間隔がいつか間が詰まる。あるいはテニスのように、ある時はすぐに返信がきて、ある時は時間がかかる。そのように間のコミュニケーションがラインで生まれている。
ある友人は言う。
「一度、実験したんだ。ナンパした子に相手のレス時間よりきっかり10%早く返すというパターンと10%遅く返すというパターンでやり取りをしてみた。たとえば、こちらがレスをしてから返信までのレスが1時間かかった場合、54分で返す場合と66分で返すパターンだ。そういう風に常に相手より時間を詰めて、あるいは時間を明けて返信してみた」
「そしてどうなったんだ?」
「詰めていった方が、最終的に会う約束も取り付けることができた。」
「時間を空けた方はどうなったんだ?」
「まだ継続している。23日後に返信する予定だ。その前のLINEがおはよう、だから、23日後に、おはようの返信をするということになる。」
「そこから得られる示唆は何だ」
「23日後に返信しても返信してくれる子がいたら、大切にしろってことだ」