寝る前に読む小話

寝る前に1分ほどで読める小話です(フィクションとノンフィクションまぜこぜです)。読者になっていただけると欣喜雀躍喜びます

相手が気づかないように気を使うマナー

酒の話で、相手のグラスが空になっているのに気づき、ビールを大仰に注ごうとした。すると、相手は言う。

気を使われると俺も気を使う。だから気を使わなくていい。もし気を使うなら、相手に気づかれないように気を使うんだ。ビールを注いでいる瞬間を見られないように

 と言われた。なるほど、と得心する。

 

確かに、人は気を使われると逆に気を使う。お金を借りると返さなきゃと思うように、敬語の人には敬語を使うように、つい応報の気持ちが出てしまう。

 

それは恋愛でもある考え方なのかもしれない。「あなたが好きです」というアピールは時に思い。「僕も好きだよ」と返さないといけない気持ちになる。何より、好きだ、という気持ちを一方通行で受ければ受けるほど、逆に自分の気持ちはそれに反発する。恋はシーソーゲーム、と誰かがいったけれど、そのような心理状態を刺しているのかもしれない。

そう考えると、むしろ「あなたを愛している」というのを言葉で言わず、所作やニュアンスで伝えるというのが、相手には心地よいのかもしれない。ベタなたとえだが、寝相が悪くて布団を蹴った時にこっそりかけてあげるとか、汚れた靴をこっそり磨いておいてあげるとか。「包まれる愛」というのは包容力だけの話ではなく、もしかすると、そのような「気づかないうちに偏在する愛」を包まれる愛とも呼ぶのかもしれない。

2ちゃんねるの有名なコピペを思い出す

 

ある日、泣き声がしゃくに障ったので妹を殺した、死体は井戸に捨てた
次の日見に行くと死体は消えていた

5年後、些細なけんかで友達を殺した、死体は井戸に捨てた
次の日見に行くと死体は消えていた

10年後、酔った勢いで孕ませてしまった女を殺した、死体は井戸に捨てた
次の日見に行くと死体は消えていた

15年後、嫌な上司を殺した、死体は井戸に捨てた
次の日見に行くと死体は消えていた

20年後、介護が必要になった母が邪魔なので殺した、死体は井戸に捨てた
次の日見に行くと死体は消えていなかった
次の日も、次の日も死体はそのままだった