寝る前に読む小話

寝る前に1分ほどで読める小話です(フィクションとノンフィクションまぜこぜです)。読者になっていただけると欣喜雀躍喜びます

恋人との仲良さの尺度

恋人との仲良さの尺度はいくつかある。1つは身体の相性だし(噂に寄ると20回すれば相性があうとか)、あるいは、相手の食べ物の好みがわかった時、はたまた、相手の呼び名が「XX君」から呼び捨てに変わった時。そういう風に、僕らは恋人との距離が近づくごとに、色々な景色が変わる。

個人的に好きなのは、屋外でのボディタッチだ。たとえば、エスカレーターに彼女が上で僕が下の時に、彼女がどういうアクションをするか。身体を触るだけかもしれないし、顔を触るかもしれない。ラテンならキスまでするかもしれない。その人との符号ができあがっていく。あるいは、信号待ちの時に手を組む瞬間や、あるいは駅から降りる時に繋ぐ手だったり。手のつなぎ方だって、指を絡ませるか絡ませないか、なんて高校生の話だけど、大人になっても、その問題はまだ解決はしない。相手によって合う相性がある。なんなら左右のどちらがわに立つか、なんてことさえも相性がある。

そういう風にして恋人たちは相手のプロトコルに合わせて、あるいは、自分の流儀を相手に教える。そして、新しく2人でのボディタッチのやり方が確立されていく。

そして別れて新しい人ができた時に気づくのだ。信号待ちで出した手を取る手がないことに。そして、その時に、今までの恋人の手を思い出して、それを忘れるように新しい恋人の手を取る。そして、僕らはいつも記号を受け渡し続けていくのだ。