寝る前に読む小話

寝る前に1分ほどで読める小話です(フィクションとノンフィクションまぜこぜです)。読者になっていただけると欣喜雀躍喜びます

今を生きる少女

「先の予定は入れたくないの」と君は言う。

お陰で、事前にレストランの予約はできない。いつも直前に「今日、空いてる?」と連絡がある。そこからお店を探す。せめてもう1時間早く連絡をくれていれば、店を探す余裕があるのに。僕の行きたい店のリストはなかなか減らない。

たとえば僕は来週末の土日に彼女との予定を入れたい。そうすれば来週の仕事の大変な時期も「今週を乗り越えれば彼女と会える」と思って頑張れる。

でも貴女は事前の約束はしない。お陰で、僕は「会えるまであと3日」という楽しみは取り上げられたまま。いきなりの連絡は嬉しいけれど、そのせいで僕は週末に予定を入れられない。貴女のせいで僕は友人の予定をドタキャンを何度したことか。

「来月の三連休にここいかない」といっても「そうね、タイミングがあえばね」としか言わない。絶対にあなたは未来の約束をしない。でも、いきなり夜中の3時に「これから六本木にきて」と連絡がくる。

いきなり23時に「ご飯いこう」と連絡をしてきて、「今日は帰るからね」という貴女。なのにご飯を食べた後「ちょっとあなたの家でコーヒーを飲みましょう」と言う。そして、「じゃあ帰ろうっかな」と言うので、「やだな」というと「引き止めて」という。

「ずっと一緒にいたい」というと「"ずっと"とかの未来はいらない。今どうしたいか言って」という。

彼女にはきっと未来という概念がないんだと思う。今を生きてる。時をかける少女、という物語があったけれど、さしずめ彼女は今を生きる彼女だ。

でも僕の誕生日は、きちんと当日に「ご飯いこう」と連絡をしてきてくれる。彼女に未来はないけれど、カレンダーは多分あるんだと思う。とりあえずはそれで満足することにしようか。突然の夜中の電話も悪いものでもないし。