寝る前に読む小話

寝る前に1分ほどで読める小話です(フィクションとノンフィクションまぜこぜです)。読者になっていただけると欣喜雀躍喜びます

なぜ子供は産まれるのか?

ツナヨシは、子供はどう産まれるのか?を考えていた。他の子供たちと同じように、その不思議に気づいた。

小学校の低学年だったろうか。彼は持てる知識を振り絞って考えた。「結婚したら産まれる」というのが、一番有力な可能性があるものだった。なぜなら周りで子供がいるのはたいてい結婚した人たちだからだ。

ただ、それには「何歳以上」といった年齢の仕切りはあるのだろう、と考えた。なぜなら、子供で子供を持っている人たちはいなかったからだ。

ただ結婚したらいきなり産まれる、ということの不都合にも気づく。そんなに肉体はメタフィジカルなものではない、と。そうすると、何かしら化学反応的なものが起こらないといけない。キスという概念は知っていたから、キスあたりが怪しいのではないかと思っていた。あるいは、「本当に愛し合う2人が子供が欲しいと念じると、何かしら化学反応が起きて子供が産まれる」といった可能性も捨てきれていなかった。なぜなら、両親は、祖父が怪我をした時に「早く治りますように」と神社にお参りにいっていたからだ。それを見ていたため「願えば何かが起こる」という可能性も捨てきれないでいた。

ただ、その場合「真実の愛」は誰が評価するのだろう。それに条件はなく、結果的に「子供が生まれた」ということがすなわちそれが真実の愛だったことの証明になるということなのかもしれない。そんなことをぼやっと小さい頭脳で考えていた。

もし、これが本当だったならば、世の中は今よりは幾分、穏やかな世界だったかもしれないな、と大人になったマサヨシはたまに思い出す。ただ、それだと、「不妊問題」がいままで以上に大きな問題だったかもしれないけれど。