寝る前に読む小話

寝る前に1分ほどで読める小話です(フィクションとノンフィクションまぜこぜです)。読者になっていただけると欣喜雀躍喜びます

掛け金が減らないルーレット

子供の頃は、親が家にいませんでした。よく言うところの鍵っ子というものです。これで姉妹がいればもう少し違ったのでしょうが、一人っ子だった私は、学校から帰るといつも1人で遊ぶことが日課でした。私が特に好きだったのは絵を書くことです。チラシの裏に、いつも絵を書いていました。クレヨンや鉛筆や色鉛筆で。それは私の家にオモチャがなかったからかもしれません。絵はお金をかけずにかけるものですから。

高校生くらいまで、その絵は書いていたでしょうか。ただ、大人になって、そんな絵のことは忘れていました。銀行業を10年も経て、そして、このようにイラストレーターの仕事につくなんて、社会人の頃は夢にも思っていませんでした。ただ、思うんです。スティーブ・ジョブズの「点と点を繋ぐ」という話にもあるように、人生とはそういうものなのかな、と。イラストレーターになったきっかけも、私が通っていたお茶教室で一緒になった人が仕事を紹介してくれたからでした。そうして私は「子供の頃に書いていた絵」「たまたまお茶が好きだったから紹介してもらった絵の仕事」という点を経て「イラストレーター」になりました。これは、「たまたま点が繋がった」と見るよりも、別の解釈ができるように思います。私はそれをルーレット理論と読んでいます。

詳しく説明させてください。そもそも私は絵が好きでしたが歌を歌うことも好きでした。もしかしたら、「歌手」になる点もあったかもしれません。でも、私は歌手になる素質はなかったのでしょう。機会がなかったから、歌手になれませんでした。ただ、絵に関しては、幸いにして人よりもうまく描くことができた。あるいは人より楽しく描くことができた。その結果、無数にある私の点から、絵の点だけが浮かび上がってきた。こう考えると、人生ってルーレットだと思いませんか。あなたのすることは、ルーレットのどこかにお金を賭けることです。「黒にかける」という人もいるでしょうし「1番にかける」という人もいるでしょう。かけ方は色々です。そして、あなたが人生を進ごとに、ディーラーは、ルーレットの玉をルーレーットに投げます。そして、あなたがかけているところに当たればお金が当たりますし、違えば外れる。これって、さっきの人生の点のように思えませんか?あなたが英会話を勉強するというのが白に賭けるということ。書道を学ぶのが3に賭けること。インドに行くというのが奇数にかけるということ。いつしか、あなたは、それらにかけた金額が払い戻されるでしょう。「インドいっておいてよかった」という経験があるハズです。私は自分の人生をこうみています。

ただ、このルーレットが素敵な点は、毎回投げられた玉が別のポケットに入っても、あなたがかけたお金は回収されないということなのです。そう考えると、どれだけ多くの玉を投げてもらうか、そして、どれだけ多くの場所にお金を賭けられるか。ジョブズの言葉を借りれば「どれだけ点を増やせるか」ということかもしれません。

だから、どれか当たるまで、いろんな点を増やしていってください。ご清聴ありがとうございました。