寝る前に読む小話

寝る前に1分ほどで読める小話です(フィクションとノンフィクションまぜこぜです)。読者になっていただけると欣喜雀躍喜びます

何食べたい?

「夏だから辛いものとかどうかな」と言うと彼女は、「そうねー。辛いもの、辛いもの」と言う。

週末のこの時間だからどの店も混んでくる時間だ。しかも、汗もじんわりと染み出すこの季節。あまり悩まず店を決めたい。

「何か食べたいのある?たとえば肉とか?」

僕は、彼女が何を食べたいかを探るかのように質問を重ねる。まるで、目が見えない人が象の足を撫でるかのように、彼女の気持ちを探る。

彼女は食べ物に優柔不断だ。なかなか決めることができない。だから、僕はいろんなパターンの質問を投げかける。

- こないだ行きたいっていってたパンケーキどうだろう

- 昼はパスタだったから夜は和食はどうだろう

- メキシカンとアジアンだったらどっちがいい

まるで気持ち当てゲームだ。こんな時に「彼女が何を考えているかわかる機械」があれば良いのに、と思う。だったら、寿司でもすき焼きでも彼女の食べたいものをすぐに見つけることができるのに。

ある日、僕はついに「彼女の考えていることがわかるアプリ」を手に入れた。仕組みはよくわからないが、彼女の考えていることがわかるのだ。

僕はそわそわしながら、いつもの質問をしてみた。

「何か食べたいものある?」

そして、アプリで彼女の胸中を見る。

- 隆君は何が食べたいんだろうな。この間いった中華は美味しそうに食べていたから中華でも四川料理がいいのかな。でも、中華はこの間いったばかりだから、今回は和食の方がいいかもね。この間、食べログでみた和食は美味しそうだったけど、隆君は好きかな。多分、セロリはでてこないと思うだけど