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寝る前に読む小話

寝る前に1分ほどで読める小話です(フィクションとノンフィクションまぜこぜです)。読者になっていただけると欣喜雀躍喜びます

サバンナで嵐は続かない

私の身体の中には、動物たちの楽園がある。そこにはキリンがいて、ゾウがいて、シマウマがいる。水を飲み、お昼寝をし、駆け回っている。広い盆地に水たまりがあり、高い木があり、青い空がある。そんな自然が私の身体に埋まっている。

だから、もし私が怒られたり失敗して、心が不安定になると、そこにいる動物たちも慌てることになる。地面がゆらぎ、雷が怒る。アルマジロがいの一番に隠れる。彼が一番臆病なのだ。でも、嵐が続くとライオンたちも不機嫌な顔で巣に変える。私は、自分の心が落ち着かない時は、そんな自然を思い浮かべる。そして、なんとか気を落ち着かせて、嵐が過ぎ去るのを待つ。

失敗した時は、ついついそのことばかりを考えてしまう。帰りの電車で、お風呂に入っている時も、寝る前も。そうすると、また、サバンナの動物たちは怒りだす。「どうなってるんだ。落ち着け」と吠え立てる。そうして、私は「ああ、そうだね、ごめんね」と心を落ち着かせるようにする。電車に乗っている時なら深く深呼吸をして、会社にいる時なら腹式呼吸をして、家にいる時なら座禅をする。そして、サバンナの自然を落ち着かせる。

私はすぐ泣くけれど、ずっとは泣かない。動物たちが困るからだ。時々彼らは私に変わって怒ってくれるし、泣いてくれる。だから私は泣かずにすむ。水の冷たい池に片足でたつフラミンゴと私は同化し、じっと耳を澄ます。

サバンナで嵐は続かない。