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寝る前に読む小話

寝る前に1分ほどで読める小話です(フィクションとノンフィクションまぜこぜです)。読者になっていただけると欣喜雀躍喜びます

ベーコンエッグの本気

プラチナ通りにあるそのビストロには看板がありません。それでも、普段から業界の人たちで賑わっています。朝まで美味しい料理を食べられるそのお店は業界人にはありがたいのでしょう。蔦が絡まるウッディな扉を目印に人々が集まります。

その店の名物の1つがベーコンエッグ。シンプルな目玉焼きとベーコン。それがとても美味しい。塩加減、硬さ、そして、見た目。どれも最高得点です。目玉焼きの端の焦げさえも、作品の1つとして存在を誇示しています。

これは、目玉焼きの見本のようなもので、もし目玉焼きに唯一正解としてのイデアがあるとすれば、これがそれにあたるでしょう。

今日もお隣に座ったお客さんがそれを頼んでいました。

- この目玉焼き、最高なんです。ワインにも合います。でも、やっぱりこれは朝食で食べたいですね。もし、朝にこれが出てきたら一発で目が覚めます。

確かに、ベーコンエッグといえば朝でしょう。しかし、これで目が覚めるとは本当でしょうか。たしかに、料理の匂いで目が覚めたことがあります。

もし、このベーコンエッグを寝ている人の口に入れてみたらどうでしょうか。人は寝ながら味覚を理解できるのでしょうか。喉を詰まらせる気もしますが、実験してみたい思いも否定できません。

もしかするとベーコンエッグのペッパーでくしゃみをして起きてしまうかもしれませんね。

そんな夢物語を想像できてしまうようなベーコンエッグの深遠さがここにはあります。