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寝る前に読む小話

寝る前に1分ほどで読める小話です(フィクションとノンフィクションまぜこぜです)。読者になっていただけると欣喜雀躍喜びます

シェアルーム2

昨日の続き。

その部屋にはゴトウと3人の女がいた。

ミホが一番強烈なキャラクターだった。なぜか、髪の毛を洗わないため、夏は匂う。美人なのに匂うというのは、なかなか非日常を感じるコントラストだった。誰かが「シャワー浴びてきて」と言って、やっとシャワーを浴びてくれた。

ミホは帰国子女だったから、シャワーを浴びないのかな、とも思ったけれど、関係ないだろう。ミホは自分が興味を持つもの以外のことをしたくないのだ。食事や風呂といった「日常」ということさえも放棄している女性だった。その部屋はトイレとシャワーのユニットバスだったが、ゴトウが「俺がシャワーを浴びている時は、トイレに入らないでくれ」と言っているのも何度か聞いた。しかし、ミホはそれを守っているようには見えなかった。ミホはトイレに行きたい時にいくのだ。

ミホが興味があるのは絵だった。たまに無心に絵を書いており、その真剣な目つきは見ていて吸い込まれそうな魅力があった。

私が初めてその部屋にいった時も気づかなかったようで、翌日、やっと「ああ、新しい人?こんにちは」と挨拶をしてくれた。

部屋は2部屋あり、寝室とリビングだった。寝室にはキングサイズのベッドとソファー、そして布団が2組あった。早いもの勝ちらしく、ベッドが一番人気があった。ミホと布団かベッドの組になった場合は大変で、彼女の寝相の悪さで起きることは1度か2度ではない。

ゴトウも一緒の部屋で寝る。最初は私も抵抗はあったものの、いずれ気にならなくなった。ゴトウが寝るのはだいたい最後なので、布団で寝ていた。ミホがトイレに行く時に蹴飛ばされて、「いて」と言っているのを何度か聞いたことがある。

私は、その部屋に週末に訪れていた。引越するわけではなく、気が向いた時にだけ訪れていた。まるで、週末の別荘だった。

アケミも週末しか来ないようで、普段は、住み着いているミホとゴトウと、たまにリサがくるだけの部屋だった。

いつも同じ部屋にいるミホとゴトウが男女関係だったのか、最初は訝しんでいたけれど、数週間も立つとどうでもよくなった。それほど、ゴトウは無機質な存在だった。

多分、彼は本質的に、女性というものに興味がないのだ。それが彼を中性的にさせている理由だった。

本当ならば男性が目にする女のはだけた胸元をゴトウは見なかった。そもそも、シモネタの話もしなかった。裸の女性を目の前にした時も、バターナイフを前にした時も同じ呼吸のリズムだったの違いない。そのような細かい所作から、ゴトウが女性に興味がないのが伝わってきた。だからこそ、このような部屋が存在しえたし、私も彼の誘いに乗ったのだろうと思う。女の本能としてこの男は安全かそうではないのかを嗅ぎ分けているのだ、多分。