眠る前に読む小話

寝る前に1分ほどで読める小話です(フィクションとノンフィクションまぜこぜです。最近テクノロジーをテーマにしたものに凝ってます)。読者になっていただけると欣喜雀躍喜びます あとスターも励みになります!

WASABI

ジャパンでやってみたかったことは、SUSHIを食べることだった。アメリカで食べているSUSHIは、日本人に言わせると「フレッシュじゃない」ということだ。だから、僕は日本でフレッシュなSUSHIを食べる。

KIXからラピートに乗って、NAMBAの駅を降りた。そして、ロンリープラネットに乗っていたSUSHI屋に向かう。店の名前は「マーケットSUSHI」。マーケットという名前がついた新鮮そうな名前だ。

扉をあける。15時だからか空いている。「Counterにどうぞ」と言われ、Counterに座る。すると、HotなTeaが出てきた。ColdのTeaが良かったけれど、SUSHIにはHotなTeaが合うのかもしれない。Humbergerには、オニオンスープが似合うように。

ロンリープラネットに乗っていたように「モリアワセ」を頼む。こうすればコースのようにSUSHIがでてくるらしい。SUSHIのフレンチだ。

そして、待つ。3分も待つと、さっそくSushiがでてきた。何かいっていたがよくわからない。とりあえずSUSHIがでてきた。まず、写真をとった。フレッシュな感じがする。Coolだ。

チャプスティックスではなく手で食べる。隣の人はチャプスティックスで食べているけれど、Twoは手で食べると聞いた。僕はTwoのふりをする。

皿の上にのったSomethingを手に取り、ソイソースにつけて食べる。

その瞬間、頭にサンダーが走った。思わずむせそうになるけれど、Twoだから、なんとか踏ん張る。吐き出さずにこらえる。しかし、テロか、と思う。なんだ、この辛さは。ハラペーニョの辛さとは違う。鼻にメンソールを塗り込まれている気分だ。

涙が止まらない。JOJOのトニオ・トラサルディーのミネラルウォーターを飲んだ時のように涙が永遠と止まらない。もう涙腺が誰かにのっとられた。もう僕は死ぬのだ、と思った。Drop It Like It's Hot

とりあえずHotなTeaを飲む。熱い。ガッデム。KAMIKAZE。辛さはとまらない。なんとか、口の中で暴れるSomethingを押さえ込む。手が震え、頬が痙攣し、鼻の奥から声がでる。

隣の席の人をみても、ふつうにSUSHIを食べている。日本人はこれを平気で食べるのか。これがZENの精神か。TOYOTA、マリオ、SONYポケモン

フレッシュというのは、このことなのか。たしかにこれはアメリカのSUSHIでは味わったことがない。これはアメリカでは税関で止められているだろう。これは生きているSUSHIだ。俺の口を攻撃している。KAMIKAZEだ

その後の話は説明は不要だろう。彼はその死ぬのではないかと感じた体験から、「もし今日が自分の人生最後の日だとしたら」という哲学を体得した。

そして、その哲学を元に仕事を邁進した結果、3年後、iPhoneを世の中に送り出した。

彼の口癖だった「One more SUSHIng」には、あんな辛いSUSHI体験はしたくないという強い思いが込められている。