寝る前に読む小話

寝る前に1分ほどで読める小話です(フィクションとノンフィクションまぜこぜです)。読者になっていただけると欣喜雀躍喜びます

携帯の裏返しは浮気の証拠?

「ねえ。携帯を裏側に置く人って浮気してるんだって」

女が言う。男はテーブルの上に置かれた携帯に目をやる。裏側に置かれている。

男は、「へえ」と言いながらアスパラガスを口に運ぶ。そして、ワインを一口飲む。

「会社のやり取りとかもたまにLINEでするから、裏側に置くようになったな。企業秘密なことがディスプレイにでちゃうとまずいでしょ」

「ふーん」と女が言う。アスパラガスもワインも手にしていない。

「ねえ。じゃあ賭けてみない?」女が言う。

「かける?」

「この食事が終わったら携帯を裏返して。

その時に女性からのLINEが来てたら私の勝ち。きてなかったらあなたの勝ち。負けた方がここの食事代を払うの」

男はワインをもういっぱい口に含む。ゆっくりと。

男は考える。

- アケミはこの時間はLINEを送ってこないから大丈夫だろう。送るとしたらサトコだが、頻度は週に1〜2日。そうすると、確率は2/7だ。さらにこの時間に送る確率はもっと低いだろう。悪くない賭けだ。何より、そもそもこの賭けにのらないと、ユウコに怪しまれてしまうしな

「今日の食事だけじゃあ掛け金としてつまらないから、一ヶ月分の食事でどうかな?」と男はいう。

- ここまで自信ありげにしておけば浮気は疑われないだろう。しかし、これはブラックジャックだな

女はワインに手をのばす。ボトルに残ったワインは残り1/4程度になっている。

「そういうなら2か月分にしましょうよ」

男はワインを持つ手を止める。

「いいよ。いつまで?デザートが来るまででいい?」

「いいわよ」

そして、2人は食事に戻った。いつもより口数は少ないが。男は早く食事を終わらせようと早いペースで食べる。女はマイペースで食事を食べる。

そして、40分ほどの時間が経過し、デザートが運ばれる。

「よし。時間だ。携帯を開いていいかな?」

「そうね」

男が震えた手で携帯を表にし、ホームボタンを押すとディスプレイが光る。

そこに光るLINEの通知。ユウコの名前。そして「来週の食事は、ロブションでお願いね。その翌週はお寿司がいいかな」というメッセージが光っていた。