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寝る前に読む小話

寝る前に1分ほどで読める小話です(フィクションとノンフィクションまぜこぜです)。読者になっていただけると欣喜雀躍喜びます

人生における税金

私はたまにピアスを無くす。いままでで10個以上なくしてきただろう。

毎回、買うたびに思う。「このピアスはいつなくしてしまうんだろう」と。でもそう考えると少し高価なピアスは買えなくなった。私はピアスが好きなのに。

それで考えた私なりの結果が、「ピアスはなくなるもの」と考えるということだった。

「ピアスがなくなっちゃった」と悲しむのは「ピアスはなくならない」と思っているから。なくす前提なら、ピアスがなくなっても、心はあまり痛めない。そうして、私はピアスは消耗品だと考えるようになり、2年持てばいい方だと考えている。だから、なくすつもりでピアスを買う。

恋愛も同じ考え方をするようにしてみた。

私は2度、恋人に振られたことがある。1度目は「なんでこんなに苦しいんだろう」と考え、2回目に「人生で何度かは恋人に振られるものなのだ。それは、最初から私の人生に組み込まれているものなのだ」と考えるようにした。それはまるで青春漫画における挫折体験みたいに。

これは、別に「運命を信じてる」みたいなものじゃない。単に「人生では2〜3回は振られるものだから、その2回めが来ただけだ」と考えるだけだ。

FXで損をした時もそう考えるようにした。

100万円以上の損をした。とても悔しかった。最初は10万円の損で、その損を取り返そうとしていると負けが重なり、100万円を超えてしまった。

悔しくて十分に眠れない日が続いた。何かコンビニでジュースを買う時でさえも、「あの100万があれば、1万本はこれが買える」なんて計算したりして。

でも、そんな悩みの中でたどり着いた結論はこうだった。

私はFXや株に昔から興味があったことだったから、やるのは避けられなかった。そしてFXをすれば知識のない私は損をする。そう考えると、私の好奇心旺盛に生まれてしまった人生においては、この損は避けられなかったのだ。いわば織り込み済みなのだ。税金みたいなもので。

そう考えて、私は自分の人生を落ち着かせている。だから、私にとって私は人よりも多くの税金を払う人生なのだ。でも、それもなんだか悪くないじゃないか。

- 誰にも知られず、人よりも多くの税金を払った女、ここに眠る

なんて。