眠る前に読む小話

寝る前に1分ほどで読める小話です(フィクションとノンフィクションまぜこぜです。最近テクノロジーをテーマにしたものに凝ってます)。読者になっていただけると欣喜雀躍喜びます あとスターも励みになります!

コーヒー券

「先日はありがとう。助かったよ。これ、息抜きにコーヒーでも飲んで」と、渡されたのはスターバックスのギフトカードだった。1000円分。

先日、私は彼の仕事を少し手伝った。彼がどうしてもその日中に作らないといけない資料があり、彼は隣に座る私に助けを要請してきた。3時間の残業を追加し、私は彼の作業を分担した。

仕事をしてるとお互い持ちつ持たれつだから、助けることはあまり気にならなかった。何より私は彼を助けたかったし。ただ、こうお礼をしてもらえるとやはりうれしい。

それがお金だったりすると生生しいし、百貨店のギフトカードだと使いづらいけれど、スターバックスのカードは、たしかに気にせず受け取れて、そして、うれしい。

何より「息抜きにコーヒーでも飲んで」という一言が添えられるのがいい。もちろん、「お礼に夕食でも」の方がもっとうれしいけど、それだと5日間くらい手伝わなくちゃ。

私はこのカードを使うときに、きっと彼のことを思い出すだろう。

あ、1000円だとコーヒーが2杯飲める。彼を誘っていこうかな。

- 彼からもらったカードを使っていないときも、彼のことを考えていることを彼女は気づいていない。