寝る前に読む小話

寝る前に1分ほどで読める小話です(フィクションとノンフィクションまぜこぜです)。読者になっていただけると欣喜雀躍喜びます

おにぎりカフェ

近所に「おにぎり屋さん」ができた。美味しいおにぎりを売っているお店だ。昆布とか、たらことか。なんだか気の利いた具の。1個200円くらいとお安い。

お米は、玄米と白米を選べる。ノリもしっとりしていて美味しい。きっと良いノリを使っているんだろうな、と思う。

そのお店はよくある持ち帰り専門のお店ではなく、店内で食べることもできた。3つだけのテーブルで小さいけれど。

何度か買って帰ったことはあるけれど、店内で食べたことはなかった。1人で店内で食べるのは、なんだか恥ずかしがったのだ。だから「お茶しよう」と友達と話をした時に、「そうだ」と、この店を思い出した。おにぎりを食べながらのお茶ってどうなのかな、と。

当日。私はたらこのおにぎりを頼んで、彼女はそぼろのおにぎりを頼んだ。そしてほうじ茶を頼んだ。

おにぎりを食べながら会話をした。カフェでお茶するよりも静かで、そして、なんだか落ち着いた時間だった。

帰り際、自分が普段よりも過去の話をしたことに気づいた。大学時代の頃や若い頃の。

もしかすると「おにぎり」が持つ子供の頃の記憶が、私の気持ちをメランコリックにしたのかもしれない。遠足でのお弁当のおにぎりや、母が留守の時にテーブルにおいてあったおにぎりの記憶を呼び起こして。

そして、コーヒーを飲んでる時よりも、なんだか情緒的になったのかもしれない。

仕事の話は、おにぎり屋さんでしないほうがいいな、と思った。でも、将来の旦那さんとは一緒にいってみたいな、と思った。