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寝る前に読む小話

寝る前に1分ほどで読める小話です(フィクションとノンフィクションまぜこぜです)。読者になっていただけると欣喜雀躍喜びます

ヨーグルト

なんだよ、とつぶやいている自分に気づいた。

悔しいので、久しぶりに湯船に湯を入れた。普段はシャワーだけれど、今日は湯船に浸かりたい。

湯が満杯になるのを待ちきれず湯船に飛び込んだ。そして、水の中に潜った。

ドボドボとお湯が入る音が流れる。べちょんと湯船の底に背中をつけて、足を空中に投げ出した。

しばらく水の中で呼吸を止める。デトックスデトックスと思う。そして、ざばーっと湯船から顔を出し、酸素を吸う。うまい。

なんでヨーグルトなんだよ、と思った。

昨日、自分に別れを告げた女性のことを思い返していた。

「ヨーグルト食べようかな、と言いながら冷蔵庫を空ける背中が寂しそうで」というのが彼女の理由だった。

その背中に惹かれて、彼女は彼のところに去っていった。俺より20歳も年上でバツイチのおっさんのところに。

なんでヨーグルトなんだよ、と思った。ヨーグルトくらい俺も食べるよ。なんで俺のヨーグルトを食べてる背中じゃ駄目なんだよ。

もうしばらくヨーグルトは食べられないじゃないか。

なんでなんだよ、と言いながら、シャワーのお湯を浴び続けた。