寝る前に読む小話

寝る前に1分ほどで読める小話です(フィクションとノンフィクションまぜこぜです)。読者になっていただけると欣喜雀躍喜びます

孤独を紛らわせるために

風邪を引いた。その時に人は初めて孤独を痛感する。

普段は1人で気楽に生きる人も、風邪になった時に、1人の限界を知る。自分が倒れると、誰も自分を助けてくれないのだ、という事実に。リンゴを剥いてくれる人も風邪薬を戸棚から取ってくれる人もいない。自分で戦うしかない。38度の熱とともに。

そして、私は気づく。

「1人は寂しい」

1人で暮らすこと。それは、女性にとって治安という意味でも不安だ。1階は避けて部屋を借りたけれど、5階に住む友人はベランダに侵入者が入った。非常階段から侵入したのだ。オートロックでも他の人について入られれば意味がない。

1人は寂しい。「咳をしても1人」と高校で習った俳句を痛感するとともに。

風邪が治っても、「1人は寂しい」という思いがつきまとう。

特にこんな寒い日は特に。

ペットを買おうか、と思ったけれど、うちのマンションはペットがNGだ。

とはいえ、恋人は頑張ってもできるものではない。

あ、そうだ。

私は気づく。「自分が1人じゃない」とわかれば安心できる。

そして私は、レーダー動作感知装置「RANGE-R」を買った。FBIなどが使っている機械で、壁を通じてそこに人のいるかどうかがわかるレーダーだ。

これで私は隣人がいるかどうかを知ることができるようになった。そうして、私は寂しさを紛らわせることができた。夜に隣の人が帰ってくると安心する。朝に、隣人が会社に出ると寂しい。

地震があって不安でも、隣に人がいると思えば安心できる。夜中3時に悪夢にうなされておきてもと隣人がいると思えば安心できる。

もし何かあっても、1メートル隣には、誰かがいる。壁を挟んでだけれど。性別も年齢も知らないけれど。隣人だけれど。

※もちろんフィクションですが起こり得るちょっとしたホラーとして書いてみました