女性1人で牛丼屋に入れますか
平日の夜、23時ごろ、最寄り駅から帰っていると、1人の女性いた。松屋の中を覗いている。
僕は遠目からそれを見ていて「入れ」と心で念じていた。女性は、牛丼屋に1人で入りにくいと言われている。でも、食事に男女なんて関係ないわけで、できれば女性が気にせず松屋に入れる世の中であって欲しい。
そういう思いで、中をうかがう女性を心の中で後押しする。中が混んでいるのをみているのか。混んでない方が入りやすいのかな。
きっと牛丼は美味しいよ。気にせず入って。誰も気にしないから。
女性は10秒ほど悩んでいただろうか。胸中を察するに「お客さん10人くらいいるな。全員男性だな。その中に私が入っていったら浮くだろうな。笑われるかな」といったことを考えているのだろうか。
結局、その女性は松屋に入らずに、歩き始めた。
- あー。男女平等社会の敗北だ。女性が1人で牛丼屋に入れない社会になっちゃっているのだ。メアリ・ウルストンクラフトの敗北だ。
と僕は21世紀の日本に絶望した。そして、政治家への参画を2秒ほど考えた時に、まだ前を歩いているあの女性が目に入った。
そして、女性は、ぱっとそこにある店に入った。
その店は吉牛だった。
- 吉牛を食べたかったんかい