寝る前に読む小話

寝る前に1分ほどで読める小話です(フィクションとノンフィクションまぜこぜです)。読者になっていただけると欣喜雀躍喜びます

失恋のプロ

ミユキは自分のことを「失恋のプロだ」と言っていた。少しの自嘲も込めて。

恋愛体質だからすぐに恋愛する。でも、その分、別れも多い。いままで20以上の別れを経験してきた。たいていにおいてミユキが振られてきた。

だから、「失恋には慣れてるの」という。過去にたくさんの手ひどい失恋をしてきたから、「あの時は乗り越えられたんだから、今回も乗り越えることができるはず」と失恋という山が毎度現れても、勇んで立ち向かう。

いきなり連絡をとれなくなった男がいた。LINEも既読にならず、電話もつながらない。家の前で待ってたけれど、さすがにむなしくなって3時間でその場を去った。会いたくないと思っている人に無理やりあったところで何も意味がない。

あるいは付き合ってくれと言われて付き合った翌日に「別れよう」と言われたこともある。恋愛の最初はテンションもあがる。「ここに一緒に行きたい。こういうデートをしたい」というような夢も広がる。なのにいきなり絶望に叩き落される。しかも「この24時間で私は何をしちゃったんだろう」と自分を責めることになる。「これはきつかった」とミユキが言う。

一番つらかったのは、やはり2年付き合って結婚を考えていた男から振られたことだとミユキは言う。それも「LINEで言われた」のはショックだった。会って話をしたかった。理由は「他に好きな人ができた」だった。自分はとても好きだったから、まさか相手が他の女性を気になっているなんて気づかなかった。だから、ミユキにとっては、予兆もなく、いきなりの別れだった。受け身もとれず大事故だった。それは一ヶ月以上ひきづったという。体重は5キロ減った。男性不審になった。振られた瞬間は何もできずひたすら家で寝ていた。

でもそれらの失恋を得て、立ち直る方法も数多く学んできた。

- 寝る

- お酒を浴びるように飲む

- 友達に話を聞いてもらう

- お金を使って発散する。服を買ったり

でも一番効くのは新しい恋を見つけることだという。それがたとえ一夜の恋でも良い。他の男の体温の中では、過去の男のことを少しは忘れることができる。

彼女は自嘲気味に言う。

「失恋を多くしてくるとね、失恋に慣れると思うでしょ。それは間違い。

恋の始まりがいつも新鮮なように、失恋もいつも辛いの。

ただ、立ち直り方だけは学ぶことができるから、少しは早く立ち直れるだけ。」