祖母への殺意の動機
9歳の少年が、祖母を殺した。ナイフでの刺殺(死因は出血多量)だった。
9歳の少年は、その1ヶ月前に祖父を病気でなくしたばかりだった。少年はおじいちゃん子、おばあちゃん子だったから、号泣した。
周りの親戚たちが心配になるほどの号泣だった。葬式中、ずっと少年の鳴声が葬儀場に響き続けていた。
だから、少年が祖母を刺殺したと聞いて、誰もその話を信じられなかった。あんなにおばあちゃんを好きだった子が、おばあちゃんを殺すなんてありえない、と。
9歳の少年は、動機を聞かれてこう答えた。
「もうおじいちゃんやおばあちゃんとお別れをしたくなかった。
悲しい気持ちになるのはもういやだ。
『おばあちゃんがいつか死ぬかも』って考えるのもいやだった。
だから、自分で先にお別れをしておいた。
そうしたら、もう『おばあちゃんが死ぬかも』って考えなくてもいいから」
なお、警察の検視によると、少年のおばあちゃんが刺された時に、おばあちゃんの抵抗の跡はなかったそうだ。