眠る前に読む小話

寝る前に1分ほどで読める小話です(フィクションとノンフィクションまぜこぜです。最近テクノロジーをテーマにしたものに凝ってます)。読者になっていただけると欣喜雀躍喜びます あとスターも励みになります!

結婚に求められる能力

- 34までに結婚したいの

と彼女は言う。

その時に、世の中の人はこう言うだろう

- じゃあ出会いをもっと増やさないと。

合コンに行け、Pairsをしろ、結婚相談所を使え。

然り、然り。

出会いが増えれば、結婚相手と見つかる可能性は高まる。少なくとも、家で篭っているよりは出会いはあるだろう。

実際に彼女は街コンに出かけ、クリスパスパーティに出かけた。そこで、彼女にアプローチをしてくれる男性と出会った。今回はその男性とは2回のデートで終わってしまったけれど、それもまた1つの前進だ。

- でも

と私は思う。今の時代に求められているのは、出会いを増やす努力をするだけじゃない。それだけでは不十分なのだ。

「人を好きになる努力」というものも求められているのだ。

自分が好きで、相手も好きになってくれることなんて、そもそも、確率論から考えれば低いだろう。もし自分が好きになる人の出現率が20人に1人だとしたら、単純計算で、お互いが好きになる確率は400人に1人だ(もっとも実際はお互いが好きになる層は分布が偏っているので、もう少し確率は高いと思うけれど)。なお、自然界では、その問題を「女性は自分を好きになってくれる人を好きになる傾向にある」というルールを設定することで解決しようとしている。

いずれにせよ。

いずれにせよ、自分を好きになってくれる人を好きになった方が話は早い。

自分の好きな人と結婚できる時代は終わったのだ。そんなのはおとぎ話の幻想だ。

今の時代に求められているのは、人を好きになる能力なのだ。自分を好きになってくれる人を好きになる能力こそが幸せのキーなのだ。

もっとも、私は「そんな無理に人を好きになる努力をするくらいならば、結婚を諦める」能力を手に入れたけれど。