パクチー理論
- 男はいい女を見たら、すぐに恋するじゃん。女は時間がかかるんだよ
と、レイコが飲み会で言っていた。
そうかもな、と思った。
それをレイコは「パクチー理論」といっていた。
多くの人は最初はパクチーが苦手だ。ただ、ずっと食べ続けているといつしか好きになってくる。タイで「NOパクチー」といっても、パクチーが出続ける地獄を経験して、パクチーが好きになる。
恋愛も同じだ、と。男と出会う回数が増えると、いつしか好きになる。
女性が「1回目のデートで家にいかない」のは、「1回目だと遊ばれるから」と思うのではなく、「まだ恋愛温度が上がってない」からだと。
女性は3回、4回と会ううちになんだかその人を好きになっていく。面白いのは、時間ではないということだ。5時間一緒にいるよりも、1時間づつ2回会った方が親近感は増したりもする。
大勢のイベントで何度かあっているだけでも恋心になったりする。これがパクチー理論だ。
そういうレイコは、ある男と結婚した。
その男は、レイコの最寄り駅の駅員さんだったそうだ。