寝る前に読む小話

寝る前に1分ほどで読める小話です(フィクションとノンフィクションまぜこぜです)。読者になっていただけると欣喜雀躍喜びます

デートの思い出はいつも雨

晴れたらしたいことがたくさんあった。

ピクニック、お散歩、テラスでランチ。

昔の歌で「晴れたらいいね」という歌があったけれど、その歌を聞くと私はとても寂しくなる。

山へいこう次の日曜

という歌詞を聞いて、私は「晴れても、私は山にいけない」と悲しい気持ちになった。

なぜなら、私の恋人は土木工事で働く人、すなわち土方の人だったから。だから、雨になると仕事は休む。その分、晴れていると休みなしで働いていた。

だから、私はその人とのデートはいつも雨だった。梅雨になると一緒にいれることを喜んだけれど、彼は、雨だとお給与が減るから、少しいらだっていた。

私のデートの思い出はいつも雨だった。部屋のベッドから窓に滴る雨水を眺めていた。

でも1度、晴れの日にデートをしたことがある。

「誕生日どうする?」と彼が聞いてくれたので、私は「晴れの日にデートしたい」と言ったのだ。

彼は、「わかった」と笑ってくれ、はじめての晴れの日のデートをした。ただの散歩だったけれど、そんなことがとても楽しかった。

傘をささずに彼と手をつなぎ歩くことができた。おしゃれをしながらデートをすることができた。太陽を浴びながら彼と話をすることができた。

「もしかすると前世は植物だったのかな。 こんな太陽がうれしいなんて」と私は太陽に向かって呟いた。

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今週のお題「晴れたらやりたいこと」