眠る前に読む小話

寝る前に1分ほどで読める小話です(フィクションとノンフィクションまぜこぜです。最近テクノロジーをテーマにしたものに凝ってます)。読者になっていただけると欣喜雀躍喜びます あとスターも励みになります!

Apple watchとタクシーアプリの位置情報が暴いた殺人事件

都内のアパートの一室で起きた話。その部屋では、ある女子大生が家にいた。なぜ家にいたのはわからないが、おそらく休日だったのだろう。あるいは大学生たるもの、家でダラダラしているのが本分だから、講義を休んで家にいたのかもしれない。あるいは体調が悪かったのかも。

いずれにせよ、その女子大生は、女子大生らしく、人生を謳歌していた。つまり、恋人が2人いた。その日まで、それはバレていなかった。

事件が起こったその日は、まず1人目の男が前夜から泊まっていった。女子大生はインターネット好きだったから、2人でNetflixでも見たのかもしれない。あるいは、MMORPGを一緒にしたのかもしれない。いずれにせよ、1人の男と一緒にいた。

そして夕方になり、男が出ていった。それから、30分後に、もう1人の彼氏が彼女の家に訪れた。さすがに彼女も「少し前に、別の男がいた空間に、別の男がくるのはいかがなものか」と少し思っただろう。しかし、男は急に来たのだから、彼女は拒む理由がなかった。

「散髪いこうとしたら休みだったので、遊びにきた」とのこと。事前にLINEくらいくれればと思ったけれど、突然きたことにも理由はあるのだろう。男は、女の浮気を疑っていた。

部屋に入ってまず気づく匂い。自分ではない男の匂い。そして、気がつくゴミ箱の避妊具。バレル女の浮気。

その後、言い争いになり、男は女を刺殺した。どこにでもある事件、とまではいわないけれど、年に1度くらいは起こる事件。コナン君の周りでは毎週起きる事件だ。

しかし、殺人を犯した男は、警察に言った。「俺がきた時にすでに彼女は死んでいた。俺は殺していない」と。

彼はこう言う。「18時ごろに彼女の家にきたら、すでに刺されて死んでいた」と。実際に彼はきた時間は17時だった。事件が起きたのは、17時30分だから、その時間には家にいなかったと言いたかったのだろう。もう1人の男のせいにしようとしたのかもしれない。

しかし、すぐにその嘘はバレた。

そして、彼がその家についたのは、17時だということがデータに残っていたのだ。彼はその場所までタクシーでいったのだが、そのタクシーアプリが位置情報を記録していたせいで、男が何時にどこにいったかが記録されていたのだ。

- 男は言い訳をした。間違えた。僕がついたのは17時だったかもしれない。でも、その時にすでに彼女は死んでいたんだ

しかし、それが嘘であることもバレた。彼女が身につけていたApple Watch心拍計の記録を調べたところ、心拍数があがっていたのは、17時30分で、17時30分まで生きていたことが証明された。

こうして、男は捕まった。IT時代に、嘘はつけないのだ。

元ネタ

ジャパンタクシー、広告サービスへの情報提供を停止  :日本経済新聞

Apple Watchの心拍センサーとアクティビティ機能が殺人事件容疑者のウソを見抜く - GIGAZINE