寝る前に読む小話

寝る前に1分ほどで読める小話です(フィクションとノンフィクションまぜこぜです)。読者になっていただけると欣喜雀躍喜びます

女性が好きなキャラクター

女性にはキャラクター好きな人が多い。代表的なものはサンリオだろう。キティちゃんは世界中で人気だ。それ以外にも、たれぱんだやりらっくまなど、彼女たちは可愛いキャラクターに心をひかれる。

過去に会った人で、星の王子様が好きという人がいた。キャラクターの中では、珍しいが、「とりわけ珍しい」というほどでもない。箱根の星の王子様の美術館では多くの人が足を運んでいることを考えると、それなりの人気はあるのだろう。

その人とは気があって。自分自身が、星の王子さまの作家であるサンテグジュペリの「人間の土地」という小説が好きで、むしろ嬉しかった覚えがある。一緒に美術館に行き、一緒にサンテグジュペリの愛読者だった宮崎駿の話で盛り上がった。

誕生日のポストカードには、星の王子さまの名言を英語で書いて送りあう。このフレーズいいよね、といいながら。同じものを好きということが、こんなに2人の距離を強固にするのか、とも思った。

そうだよ、家でも星でも砂漠でも、その美しいところは、目に見えないのさ

と星の王子様の言葉に陶酔し、2人の恋愛は永遠だと思った。

でも結局、2人は分かれることになった。1年の関係性だった。理由はよくある2人のすれ違いというものだ。すれ違いは無数のお互いの不一致を一言で丸めて表現できる便利な言葉。いわば、心不全のようなものだ。心不全になった理由は多々あれど、それらはまるめて心不全と呼ぶ。

結局、星の王子様の繋がりは1つでしかなく、一時の燃え上がりでしかなく、結局はその他の多くのすれ違いは、2人をだめにする。

では、おまえ自身の裁判をしなさい。それが一ばんむずかしい裁判じゃ。

ただ、あれから5年たって思い返すに、僕はこころの底から星の王子様を好きではなかったのかもしれない、と思う。彼女の言う好きとは異なっていたのかもしれない。なぜなら、彼女は星の王子さまを異性として見ていたし、僕は王子様は同姓のライバルとして見ていた。そもそも、2人は見ている肖像は違っていたのかもしれない、と。