眠る前に読む小話

寝る前に1分ほどで読める小話です(フィクションとノンフィクションまぜこぜです。最近テクノロジーをテーマにしたものに凝ってます)。読者になっていただけると欣喜雀躍喜びます あとスターも励みになります!

バレンタインデーに自分に贈るチョコレートの味は。

コンビニのポスターを見ながら「そうか、バレンタインか」と気づく。2月14日という日付を気にしなくなって、もう随分となる。

ー久しぶりにチョコでも買ってみるかな

コンビニで並べられているチョコの前で立ち止まる。ダイエットのために間食を減らしてから、チョコは長らく食べていない。バレンタインの今日くらいは、食べてもいいかもしれない。

そして、そのチョコとコーヒーを飲みながら、昔の恋人に思いを馳せてみるのも良いかもしれない。こんな日でもないと、思い出さないのだから。法事で故人を思い返す日や、母の日で母親を思う日があるのだから、過去の恋人を思い返す日があったっていいじゃないか。

良い思い出も、悪かった思い出も、全部懐かしい。色々なバレンタインデーの記憶も合わせて蘇る。もらったチョコレートもいくつかは思い出せるだろう。

チョコを手に取る。無意識に手にとったチョコはビターと書かれたチョコレートだった。思わず苦笑する。昔の思い出に合う味はビターだろうな。「ものすごくビター味」のチョコレートはないかな。