眠る前に読む小話

寝る前に1分ほどで読める小話です(フィクションとノンフィクションまぜこぜです。最近テクノロジーをテーマにしたものに凝ってます)。読者になっていただけると欣喜雀躍喜びます あとスターも励みになります!

2016-12-01から1ヶ月間の記事一覧

年越しそば

「ねえ」と、そばをすすりながらミキが言う。 「年越しそばってさ、なんでそばなの?」 「そばは切れやすいでしょ。だから、『その時の厄災を断ち切る』みたいな願掛けがあるみたいだよ。 あと『細くて長い』ということから、長寿を願ったっていう説もあるみ…

撮影した記憶のない3枚の写真

「大掃除をしなきゃ」と写真を整理していた。といっても現像した写真ではなく、Google photoにアップロードしたデジカメの写真の整理だ。 すると、撮影した覚えのない写真が紛れ込んでいるのに気づいた。アイスクリームの自動販売機、コーヒー、そして、手の…

鬱じゃない人はおかしい人?

「「抗うつ剤を飲むと根拠のない自信が湧いてくる。つまり、正常な人は根拠のない自信が常に満ち溢れている」という事実」という記事を興味深く読んだ。 そこでも紹介されているのが、「鬱の人の方が現実を正しく認識している」という研究結果だ。それの真偽…

絶好調!

あなたは人から「最近どう?元気?」と聞かれたらどう答えるだろうか。 元気ならば「元気!」と答えるし、もし辛い状態にある人は「うーん。あんまり元気じゃないかも」と答えるかもしれない。 ちなみに英語でも教科書の通り「How are you?(お元気?)」と…

未来

仕事で20年後の事業プランを検討していた。 ・AIによって人間に求められるスキルが変わる世界 ・ロボットが我々の代替をする部分とロボットの限界 ・広告のリコメンデーション精度があがりもはや広告ではなく情報になる世界 ・教育格差とそれによる富の再生…

イタリアンとフレンチの違いって?

でてくるパンにバターが添えられていたらフレンチ、オリーブオイルならイタリアン。 そんな区別はどうでしょうか。

メリークリスマス

サービス業をやってると避けられないけれど、それども毎年一番つらいのがクリスマスだ。 クリスマスで、幸せそうなカップルたちを見ながら注文を聞き、お酒を注ぎ、お見送りをする。もちろん、恋人たちの幸せの支援をできることはうれしい。ただ、かたや自分…

元恋人と過ごすクリスマスイブ

今年は連絡がないな、と思っていた。「いつもなら、そろそろ連絡があるのに」と12月の3週目くらいからそわそわしていた。 彼とは今までに4回一緒のクリスマスを過ごしてきた。付き合っていた時の2回と、分かれてからの2回。 2年前の9月に分かれてから、1人で…

忘年会と年末進行

年末進行、という四文字熟語がある。広辞苑にはのってないようだが、Wikipediaには載っている。 1月中旬 - 12月中旬頃にかけてスケジュールが詰まってくる現象のことである。 と定義される。 すなわち、年末年始の休みを取るために、普段よりも12月に仕事が…

クリスマスに1人で吉牛

どんな人が好きなの?と聞かれて、「クリスマスに1人で吉牛を食べるような人」と答えたことがある。 それは、ウケを狙ったわけでもない。実際の話なのだ。 - 私はクリスマスに吉牛でご飯を食べるような人を好きになったことがある。 もう5年も前。私はOLで。…

好きな人の匂いだけ

「濃い匂いの人がいるな」と思っていた。小学生高学年の頃だ。まるで、その人だけ濃い色彩のように、私の鼻には、その人の姿が濃く匂っていた。まるでゴーギャンの描く絵のように濃い匂いだった。 「濃い匂いの人」が「自分の好きな人」だと気づいたのは高校…

タイムマシン

タイムマシンがあればいいのに、と思った。タイミマシンがあれば、こんな辛い時間を飛び越して未来にいけるのに。でも未来に行っても、私の心は私と一緒にいるままだから、辛いままなのかな。 昔、友達が「タイムマシンを見せてあげるよ」と、言っていた。 …

雑巾

雑巾を絞るという作業が嫌いだ。 理由は特に無い。なんだか理由なく嫌いだ。 なんだか手が臭くなるし、何より雑巾が臭くなる。その臭い雑巾を部屋においておくのが嫌だ。 ゆえに、私は雑巾を絞らないという生き方を選んだ。部屋で拭き掃除をするときは雑巾を…

パルミラ

お前たちの中には、パルミラに行ったことのある奴はおるか。手をあげてみぃ。 何人かおるな。お前らは幸せじゃ。あの神殿を生で見れたんじゃから。 そいじゃあ、パルミラの話をしよう。 この街は、お前らも知ってる通り、シリア砂漠にある。紀元前3年頃から…

モノは語る

2009年に島根県の女子大生が殺害された。遺体が山中で見つかったのだ。 しかし、容疑者は見つかることがなく7年が経った。 そして今年の12月に動きがあった。犯人と思われる男が見つかったのだ。ただ、それが通常の事件と異なるのは、彼がすでに死んでいた、…

閉園するテーマパーク

北九州市のテーマパーク「スペースワールド」が閉館するらしい。一度も行ったことのないそのテーマパークだけど、なぜか自分の胸が痛む。 そのテーマパークで生まれた思い出や出会いなどを想像する。ここにデートで行った人もいるだろう。あるいは、ここで家…

冬の朝

あー寒い。冬は寒いからやだね。早く春にならないかな。 そんな毎年つぶやいているようなセリフを吐く。もし、冬が聞いていたら気分を害するだろう。ごめん、冬。 でも、そんな冬に毒づく僕に代わって彼女は言う。 私は冬も好きだよ、と。 会話が盛り上がる…

エスプレッソで

年末の足音も聞こえる冬の平日。ただし、表参道には夏よりも冬が似合う。表参道のけやきには、イルミネーションがあるからだろう。 そんな「俺の時代」という顔をした表参道を歩き、待ち合わせのカフェに入る。花屋さんのビルの2階にあるそのカフェは、有名…

クリスマスソングが鳴る頃に

「あ、いつもと何か違う」 思わず周りを見渡す。夜20時のマンションのロビー。 ふっと立ち止まって気づく。音楽が流れている。 耳をすますと、それはクリスマスソングだった。名前もしらなけれど、よく街で流れているクリスマスソング。「去年もながれてたか…

電車内コミュニケーション秩序維持官

俺は「電車内コミュニケーション秩序維持官」。こっそり電車内でメールをしているやつのメールを覗き込み、公序良俗に反するメールをやりとりしていないかチェックするのだ。 たとえば、写メで女性を撮っていたり、不倫のLINEをやりとりしていたり、人をバカ…

独りの帰り道

年末の金曜日の仕事帰り。電車の中には、酔っ払いが溢れかえる。仕事で遅くなった自分にとっては、このアルコールの匂いが疎ましい。 駅について降りる。駅前のコンビニを通り過ぎて、ロータリーを回る。 駅前で電車から降りる人を待つタクシーや待ち合わせ…

カルネアデスの板

最近、車が人やお店にツッコむ事故が多いな、と思っていた。だいたいがブレーキを踏むところを間違ってアクセルを踏んだことが原因らしい。 それを聞いて、自分はアクセルとブレーキを間違わないように、ペダルを踏む足は裸足にした。そうしておけば少しでも…

3つのポイント

忘年会で上司が言う。 「楽に生きるポイントを教えてあげるよ。それは、この3つのことをするだけなんだ。 1.自分の力でできることと、できないことを切り分ける 2.自分の力でできないことは忘れる 3.自分の力でなんとかできることは頑張る この1が重要なんだ…

インターネットルネッサンス

2016年冬、Web業界で大きな変動が起こった。DeNAのWelqを発端に、キュレーションメディアの課題が指摘され、DeNAやリクルート、サイバーエージェントなど多くのメディアが自社キュレーションを閉鎖・記事削除を行った。 この出来事は、インターネットの歴史…

Amazonダッシュボタンで幸せを届けて

Amazonダッシュボタンを押しても、私が本当に欲しいものは届かない。 洗剤や消臭剤が届いても嬉しくない。 便利だな、とは思うけれど。 もっと幸せを運んでくれるボタンがあればいいのに。たとえば押したら、音楽がなるとか、花火がでるとか。でもそれじゃあ…

Amazonダッシュボタンで誰がくる?

Amazonから、Amazon Dash Button というものがリリースされたらしい。 いわば「ボタン」。 ボタンごとに「アリエール」や「リステリン」など日常品が設定されていて、ボタンを押すとそれが届く。 事前に、自分が「ボタンで買いたい商品」のボタンを買ってお…

かっこよくアイスを食べれるのか

私はアイスフェチかもしれない、と思った。 いや、ただしくは「アイスを舐める男フェチ」というべきか。今までの恋人を思い返す時に、ふと思い出すのは彼らがアイスを食べていたシーンだ。 お風呂上がりに食べるパピコや旅行先の長野の牧場で食べたソフトク…

意思決定を迫る言葉

人は意思決定をする時に力を使う。 忙しい経営者だと数分に1つは物事を決定する必要があり、とてもそのことに疲労する。たとえ手を動かして無くても、意思決定は人の力を奪うのだ。 だから、ジョブズはいつも同じ服だった。服を考えることに時間を使いたくな…

何が問題なの?

日本酒がうまい居酒屋で男が二人座る。日本酒を飲まずに男は2杯目のビールを頼む。そして、唐突に話し出す。 「最近、彼女とあまりうまくいってなくて」 - 何!そもそもユタカに彼女いたの? 「そうなんだよ。最近できて。で、最初は仲良くしてたんだけど、…

デタラメな体重計

その体重計はデタラメだった。どうデタラメかというと、正しい体重を教えてくれないのだ。 乗る度に1キロ増えたり、2キロ減ったり。ひどい時は10キロ増えたりする。 しかし、その体重計が、2017年にばか売れした。ポケモンGOを超えるヒットとなった。 人々は…