眠る前に読む小話

寝る前に1分ほどで読める小話です(フィクションとノンフィクションまぜこぜです。最近テクノロジーをテーマにしたものに凝ってます)。読者になっていただけると欣喜雀躍喜びます あとスターも励みになります!

2016-03-01から1ヶ月間の記事一覧

卒業式

・卒業式の時期だね ・そうだね ・卒業式って、学生時代が辛ければ辛いほど、なんだか嬉しいよね。逆に、楽しかったら悲しい。 ・そうだね。 ・でも、いずれにせよ「もう出ていくのだ」という気持ちの区切りとしては、やはり大切な儀式なんだと思う。これに…

注文の多いXXXX

注文の多い料理店という物語がある。 有名なのでご存知の方も多いと思う。宮沢賢治氏の物語で、「注文の多い料理店」の指示にしたがって、髪をとかしたり服を脱がされる。しかし、それは料理を食べる準備ではなく、食べられるための準備だった、という話だ。…

タイミング

ぼーっとしている時と集中している時の作業効率は大きく異る。 たとえば、以下では「ゾーン」という形で集中している時のことを表現している。 ゾーン(究極の集中状態)に入るための3つのステップ。「ストレス」「リラックス」「集中」(1) – Industry Co-Crea…

方言を隠し通せる人には要注意

こういう話を聞いたことがある。 関西人の人がいる。よって地元に戻れば関西弁だ。しかし、彼女は東京で働いている時は、一切、関西弁を出さない。彼女が関西出身ということを知らない人も多い。 一般的に関西人はなかなか方言を直さない。他の方言の人より…

春の色

春の色は国によって違う。日本はピンクだろう。それは桜のピンクによって生み出されている共通想起だ。 アラビア半島では、春に砂嵐が来るため、その砂嵐のオレンジ色が春のイメージとなる。中国では五行の青色が春に対応しているので青と言う。「青春」とい…

カレンダーのない国の季節

カレンダーがない国では、秋の季節は長い。夏の終わりから雪が降り始めるまでが秋である。秋はどう終わるのか?雪が降ると秋が終わる。そして冬が始まる。 冬は桜が咲くと共に終わる。そして、桜がさくと春と定義されている。その国では、春は桜と共にやって…

スウプ

文章には癖がでる。たとえば資料の末尾に句読点を付けないという人がいるし、付ける人もいる。あるいは、改行の癖なんかも如実に出る。人は個性を表す 他にもLINEでもスタンプを使う人や使わない人、絵文字を使う人使わない人、末尾にwを使う人、笑をつける…

3席あるトイレに真ん中に立つ人

男子トイレのお話。小便器が3つあるとする。 するとだいたいの人は右端か左端にする。効率性を考える人は右端だし、やさぐれた人は左端だろう。ただ、真ん中を取る人は心理的には少ない。 なぜなら、真ん中を取ると、次に来る人か右か左にきて、横並びになり…

恋人との仲良さの尺度

恋人との仲良さの尺度はいくつかある。1つは身体の相性だし(噂に寄ると20回すれば相性があうとか)、あるいは、相手の食べ物の好みがわかった時、はたまた、相手の呼び名が「XX君」から呼び捨てに変わった時。そういう風に、僕らは恋人との距離が近づくごと…

国境の東のさらに東

電話先では彼女が何か言っていたが、まわりの人々の話し声がうるさかったし、彼女の背景ではクリスマス音楽が流れていたので、僕には彼女の声を聞き取ることはできなかった。電話が途切れてからも、僕は彼女が電話口で何を言おうとしたのかを思い返した。水…

僕らはいつも人生を賭けている

タクシーに乗っている時に、どうも自分の人生を相手にあずけている気がして、ドキドキする。思わず後部座席でシートベルトを締めるのだけれど「あなたを信用してないわけじゃないけど、万が一の時を考えてするんですよ」と心の中で言い訳をしながらシートベ…

霞町、けやき坂、暗闇坂、星条旗通り

色気のある地名、というものが存在する。記号としての色気とその場所自体も色気のある2点において色気が出るのだろう(ソシュール先生の言葉を借りるならば、シニフィエ、シニフィアンとしての色気)。 たとえば、西麻布の旧名である「霞町」。カスミという…

寝台特急カシオペアの思い出

ミチコは、カシオペアに乗りたいと言った。カシオペアとは上野と札幌を繋ぐ寝台特急だ。 「席を押さえるから一緒に行こうよ」と誘ったら、ミチコは「いいよ」と軽く返事をしてくれた。 ミチコとは、まだキスまでの仲で、付き合うはおろか、彼女が何を考えて…

未来を予言して悲観に暮れる少年

未来が見えるとどうなるか。それでもきっと人は生きていくだろう。 なぜそう思うか? なぜなら、今でも人は未来を見通せるからだ。 あなたは見通せない?そんなことはない。 では過去と未来と交信できる私が変わりに予言しよう。 あなたは100年後には死んで…

人口知能と麻雀の世界決戦

Googleの人工知能の囲碁ロボット「AlphaGo」が人間王者に勝利した。 人類に残されたゲームはもはや麻雀くらいしか残っていない。 2020年、麻雀に挑む、GoogleのAIロボット「BetaSix」。 解説者:いよいよ、世紀の対戦が始まりました。人類最強の雀士「カイジ…

記憶がないけれど、僕はこの子の服を脱がしたことがある

「あ、また会ったね」と言われた。 西麻布の交差点近くにあるクラブの地下二階。 「久しぶり」とノリで言ったものの、記憶はない。クラブは嘘が飛び交う空間ゆえに「あなた誰?」といった質問は野暮でしかない。 相手の記憶違いかな、と思いながら、「今日も…

恵比寿の魅力とは、他の町のちからを吸い取る点にあった

今週のお題「好きな街」に関して。 私が好きな町は恵比寿だ。つい先日は、住みたい町ランキングの1位にも選ばれた。長年1位だった吉祥寺を抑えて。 恵比寿が浮上!最新・住みたい街ランキング | SUUMOジャーナル | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準…

小川軒のレイズン・ウィッチの思い出

小川軒のレイズン・ウィッチというクッキーがある。 生クリームのようなクリームとそこに潜む存在感の溢れたラム酒の香りあふれるレーズン。その3要素が最適な割合で合成されたクッキーだ。 製造数が少ない分、希少度の高いお菓子のため、ちょっとしたパーテ…

女性が好きなキャラクター

女性にはキャラクター好きな人が多い。代表的なものはサンリオだろう。キティちゃんは世界中で人気だ。それ以外にも、たれぱんだやりらっくまなど、彼女たちは可愛いキャラクターに心をひかれる。 過去に会った人で、星の王子様が好きという人がいた。キャラ…

35歳で折り返す人生

35歳は人生の折り返しだという。 小説家、村上春樹氏のプールサイドという短編は、そのような人生の折り返しを迎えた男の1日を描いた小説だ。自分の老いと向き合い、同時に歩んできた道筋を思い返し、これからの往路に思いをはせる。 確かに35歳といえば、一…

相手が気づかないように気を使うマナー

酒の話で、相手のグラスが空になっているのに気づき、ビールを大仰に注ごうとした。すると、相手は言う。 気を使われると俺も気を使う。だから気を使わなくていい。もし気を使うなら、相手に気づかれないように気を使うんだ。ビールを注いでいる瞬間を見られ…

LINEの間隔の感覚

LINEというものがある。メッセージを送り合うサービスで、いまは日本人でスマートフォンを使うユーザのほとんどの人が利用している。 LINEに関して、こういう話がある。 「自分がメッセージを送る。相手の返信が1時間かかるとする。すると、自分も1時間後に…