寝る前に読む小話

寝る前に1分ほどで読める小話です(フィクションとノンフィクションまぜこぜです)。読者になっていただけると欣喜雀躍喜びます

セールするオンナ

夏のセールの季節である。

セールは心理戦だ。たとえば「セールの服は買わないようにしている」という人がいる。これは、セールで売られている服だと選択肢が狭まるので、気にしないようにしている、という青山在住の慶応大学生女子が言っていた。

とはいえセールは魅力的だ。たとえ、それが「実は割安じゃない」ものだとしても、あるいは「残り物」だとしても、セールは、それが「いま買わなければ」の理由になる。人は物を買うことに理由を求めている。それゆえに「限定品」や「いまだけ」という文句がマーケティングで活用される。

このセールというものが「普段より、多くの人に手をとってもらうための施策」と定義するならば、友人で「自分をセールした人」がいた。

その子は3年間、恋人がいない。容姿は悪くないし、気立ても悪くない。何が悪いかというと、「条件が厳しすぎる」のだ。ルックスと正確と身長と、とバブル世代を彷彿させるような彼氏像を夢見ている。

そして、友情あふれる友人が、その子の誕生日にアドバイスをした。真摯に。

- 今年は、もっといろんな男性を知り合いなさい。今までの条件は忘れて、とりあえず多くの人とデートにいってみて、「ありかも」という人だったら、深くかんがえずに付き合っちゃいなさい

彼女は素直だった。実際に、それを実行してみた。もともと、男性ウケはする女性だったので、男性からの誘いはあった。だから、彼女は友達のアドバイス通りに何人かと食事をした。コンパもいった。そして、そのうちの1人と付き合った。

この場合、セールという戦いに勝利したのは、付き合えた男性か、それとも、付き合いを始めた女性か。

それがわかるのは、50年後だったりする。そこが、恋愛のセールと服のセールの違いだろう。

セールがあなたと共にあらんことよ。May Sales be with you!

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今週のお題「セールの戦利品」より