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寝る前に読む小話

寝る前に1分ほどで読める小話です(フィクションとノンフィクションまぜこぜです)。読者になっていただけると欣喜雀躍喜びます

もやもや

もやもやする思いを抱くことがある。たとえば、不条理なことを言われた時。たとえば、「上司に言われたことをやっていたら、その上司に『なんでそんなことをやってるんだ』と怒られた時」とか。あるいは、自分の失敗を悔いる時。本来はそんな送るべきではないラインなのに酔った勢いで送ってしまい、相手を怒らせてしまった時。

なんだか心に毒が溜まったような気持ちになる。日常を過ごしていても、それのことが気にかかる。週末も気分よく過ごせない。まさに毒。

人によってはお風呂でその毒素を出すという人がいる。鼻をつまみ、湯をはった湯船に沈み込み、ぶくぶくと泡を吐き出す。すると、その泡と共に、なんだか自分の胸に溜まったモヤモヤが離散するような気がする。あぶくのように。

あるいは、人と話をするだけで、それが消える人もいる。いわば愚痴。愚痴は答えを求めていない。ただ、吐き出すだけで良い。そう、酸素のように。すると、毒素は友達との居酒屋のテーブルの上にハイボールの泡と一緒に消えていく。

また、タバコの煙と一緒に毒素を吐き出す人もいるだろう。肺いっぱいに溜め込んだ紫煙は、自分にたまった毒素と共に、空中に消えていく。カラオケで歌う人もいるだろう。溜まった毒素を歌声と一緒に吐き出す。喉を開いて腹式呼吸で毒素を吐き出す。

怒った時には、まず深呼吸をするというのは、そういうことなのかもしれない。深呼吸し、息を大きく吐き出すことで、自分に溜まった怒りという毒素を身体の外に吐き出す。

こう考えると、不満や不平、怒りというのは、脳ではなく、形而上的に身体に溜まっているものなのかもしれない。血液の中や肺や、もしかしたら胃の中に。もやもやが溜まった時は頭でかんがえず、まずは息を吐き出すということが正解なのかもしれない。

空気を吸おう。歌を叫ぼう。話をしよう。そういうことなのかもしれない。