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寝る前に読む小話

寝る前に1分ほどで読める小話です(フィクションとノンフィクションまぜこぜです)。読者になっていただけると欣喜雀躍喜びます

価値観が合う彼

初めて人と付き合ったのは大学生の頃だ。どこにでもあるような話で、大学の同級生。最初は何も思わなかった。けれど、会う回数が重なるうちにお互い惹かれ合う、というような。

彼とは多くの価値観があった。一緒にフジロックが行くほどロックが好きだったし、食べ物も2人でラーメン屋を開拓した。好きなものを最初に食べるという性格さえも一緒だった。休みの日には、ボルダリングにも一緒にいった。

3年も付き合ったので、もしかするとあのまま続けば結婚したのかもしれない。ただ、私の「他の世界も見てみたい」という思いで、2人の関係は終わってしまった。

それから3人ほどと付き合ったが、最初の人ほど相性が合う人はいなかった。「フジロックは一緒にいってくれない」「ラーメンは月1回しか一緒にいってくれない」。なんだかそういう些細なすれ違いにストレスがたまり、「最初の人ならば、、、」と思い返すことが増えた。

最近、最初の恋人が結婚することを知った。Facebookでは繋がっていなかったけれど、友人の友人までの公開権限だった写真を見ることができた。そこで見た彼は私の知っている彼ではなかった。

ラーメンの写真は1枚もなく、イタリアンの写真ばかりだった。フェスも、フジロックではなくEDMのUltraにいっていた。ボルダリングの写真もなく、友人とトレッキングをする写真があった。

そして、私は理解する。彼とは価値観があったのではなく、彼が私の趣味に合わせてくれていただけなんだ、と。