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寝る前に読む小話

寝る前に1分ほどで読める小話です(フィクションとノンフィクションまぜこぜです)。読者になっていただけると欣喜雀躍喜びます

ガーリックバターの魔力

ガーリックバターのことを知らない人は、人生を損しているといってもいいだろう。こんなに芳香ながらも素材を活かすソースを私は他に知らない。

にんにくをみじん切りにする。すりおろしてもいいがみじん切りくらいの無骨感が好ましい。バターの量にもよるが、遠慮せずたっぷり入れよう。半分くらい使っちゃって良い。そして、バターをたっぷりミルクパンにかける。200グラムくらい使ったっていい。ことことと弱火で煮る。そしてにんにくを入れる。そして、ペッパーを入れて、出来上がりだ。

器は白いものに入れた方がバターの色味が生えるだろう。

そこに焼いたバケットを付けて食べると、もはやこの世のものとは思えない味となるだろう。ガーリックトーストの旨味だけをより純度高く突き詰めたような世界がそこにある。にんにくの匂い、バターの濃厚な味わい。食欲をそそる黄色い色味。ガーリックの粒の食感。五感を使うようなソース。体力が落ちている時にこれを食べると魂をもっていかれてしまうかもしれない。妖怪ガーリックバターを無限食う人になるかもしれない。

フランスパン以外にもあう。バーベキューでも活躍する。肉にこれをつければ最高のソースだ。肉の旨味をガーリックとバターが協業し最高まで引き上げてくれるだろう。それはもはやショーと言ってもいい。舌の上で起こる目くるめくる輪舞曲だ。

あまりにもうまくて、もはやあなたは肉を食べているのがガーリックバターを食べているのかわからなくなる。あっという間にガーリックバターは底をつき「もう無いの!」というはめになるだろう。人によっては、これを飲み物とさえも勘違いしてしまうかもしれない。

女性が男性にこのガーリックバターを使った料理を出すと、一瞬で胃袋をつかむだろう。男は「こんなガーリックバターを毎日食べれるなんて!」と婚姻届を探し始めるに違いない。

ただし、これだけの美味なるガーリックバターは作る手順を間違うと単なる茫洋なるガーリックバターになる。レンジは使ってはいけないし、無用な添加物を入れてもいけない。バターを溶かす時には「ガーリックバターの末代までの幸せを願い」、弱火で溶かしていく必要がある。

なお、この話にはオチはない。なぜなら、事実だからだ。