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寝る前に読む小話

寝る前に1分ほどで読める小話です(フィクションとノンフィクションまぜこぜです)。読者になっていただけると欣喜雀躍喜びます

世界を救ったパン

ミチがカフェで友人を待っていると、隣の席の会話が耳に入ってきた。

- パンと他の料理の違いはわかるか?

白髪の恰幅の良い男性が、若い男に質問を投げかけている。パンと他の料理の違い?主食じゃないということかな。

- なんでしょう。こねる必要があるということでしょうか。でもそれだったら、そばやピザもそうだし、、、

前の男が、頭をひねりながら喋る。

- 違う。パンはな、手で食べるということだ。他に手で食べる食べ物はない。もちろんおにぎりも手で食べるが、アルミやビニルなどで包んでいるだろう。そのまま手で食べる食べ物はパンしかないのだ

なるほど、とミチが話を聞きながら納得する。同時に「ホントかな。もう少し他にも手で食べるものはありそうだけど。おまんじゅうとか」と思う。

- だからな、パンは味だけ優れていても駄目なんだ。肌触りが重要なんだ。フォカッチャを触った時は暖かい方がいいだろう。フランスパンはざらざらと固くないとダメだ。クリームパンは柔らかいにこしたことはない。そういう歯ごたえとは別に、パンは触感を必要としているのだ

その言葉を聞いて、ミチはひらめいた。そうだ。肌触りの良いパンを作ろう。

それからミチの行動は早かった。専業主婦ゆえの空き時間を活かして、パンをこね始めた。もともとパンづくりが好きだったということもあり、毎日試行錯誤を続けた。想像したとおりのパンの食感を作るために、毎日毎日パンをこね続けた。

そして、半年後、想像したとおりの食感のパンができた。それは、女性の乳房の食感を持つパンだった。柔らかくモチモチした食感はまさに女性のソレだった

ミチはいう。

「男はみんなおっぱいが好きでしょ。じゃあ、このパンも好きでしょ!なんなら子供も好きでしょ!」と。

知り合いのパン屋に相談し、そのパンを置かせてもらったところ、パンはまたたく間に売れた。ミチはそのパンの名前を「おっパン」と名付けた。

なお、おっパンはミチが自分の胸を元に作成したため、そのパンを食べたみんなにミチの胸の大きさと食感を知られることになった。

そんなミチの憂鬱を超えて、おっパンは社会現象となり、流行語とさえなった。ミチは大手メーカと組んで量産体制をしいた。そして、AカップからEカップまでのサイズまで揃えた。

いままで「高速道路で窓から手を出して空気を掴んだ時の感触をおっぱいとして楽しむ」という層が、すべて、おっパンに宗教替えをした。

こっそりおっパンを買って、夜にそれを触るという男性が増えた。「おっパンは浮気か」という問題提起も行われた。

小学校の給食に出したところ、子供たちは無限にそのパンを食べた。1人3個食べた。その結果、その学校での生徒たちは他の学校の生徒よりも体格が大きくなるほどだった。おっパンは日本人の体格をも変えた。

おっパンを食べすぎて喉を詰まらせて窒息死してしまう人も増えた。あるいは、水着のパッドとしておっパンを入れる人もでてきた。海の中で魚が集まり大変なことになった。

社員食堂でおっパンを出すことが採用の競争力にもなった。楽天はさっそくそのパンを取り入れた。英語名では「ブレッドスト(breadst)」と呼ばれた。ブレッド(パン)とブレスト(胸)をかけ合わせた造語だ。欧米サイズに合わせたため、少し大きい。新卒の企業紹介の時に楽天は声高らかに「おっパンが食べれます」と叫んだ。学生たちからは拍手喝采が起こった。なお、女性は白けていた。

こうして、すったもんだの挙句、おっパンは世界に広がった。アメリカから欧州へ。そして、南米、中東へ。日本からはアジアへ。

古人の言葉でこういう言葉がある

人はおっぱいを触っている時に戦争のことは考えない。おっぱいを触っている時は、銃を持てないからだ

 

その言葉通り、おっパンは、世界を平和にした。おっパンが普及した国では、戦争が減ったのだ。人はおっパンを触ることによって「戦争よりもおっパンだ」ということで武力を放棄し始めた。

国際政治の名言である

マクドナルドがある国同士は戦争しない(マクドナルドがある国とは、民主主義の国の意味で、民主主義国家同士の戦争はなかなか起こらないということから言われた)」

という言葉に習って、「おっパンが朝食に出る国では、戦争が起こらない」という格言が、22世紀の政治の教科書にのった。