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寝る前に読む小話

寝る前に1分ほどで読める小話です(フィクションとノンフィクションまぜこぜです)。読者になっていただけると欣喜雀躍喜びます

Talk over a crab

「ねえ。焼肉を食べるカップルって、身体の関係があるカップルって言うじゃない」と、女がの身を箸でつまみながら言う。

「そうだね。そんな話、聞いたことがある」、横に座る男がお猪口を口に運びながらこたえる。

「でもさ、の方がそんな気がしない?カニの方が身を出している時はお互いしゃべらないし、食べている時はなんだかベタベタだし、を食べているカップルの方が、身体の関係ある気がしない?」

「確かに。特に最初のデートでは難しいかもね」

「私、蟹の身を取ってくれる人と結婚したいな」

「わかる。レイコの家の両親はどっちか取るの?」

「ママがの身は取ってくれる。でも、パパは食べれずに、子供たちが食べてるよ」

女がの汁でベタついた手をおてふきで拭きながら笑う。

男はに手を伸ばし、腕を割り、身を取り出し、女の皿に置く。

「ありがとう!カニの身取り王子」

「光栄です。お姫様」。そう言いながら男はおしぼりで手を拭く。

「カニで一番美味しい部分って腕の身なんだって」

「それを言っちゃうと、僕と取り合いになるね」

「大丈夫だよ。カニの腕は2本あるから。でも子供ができたら子供たちには秘密だね」

笑いながら、女は男が取り分けた蟹の身をつまむ。