眠る前に読む小話

寝る前に1分ほどで読める小話です(フィクションとノンフィクションまぜこぜです。最近テクノロジーをテーマにしたものに凝ってます)。読者になっていただけると欣喜雀躍喜びます あとスターも励みになります!

お腹が痛くなる呪われたスーツ

なぜこのスーツを着る時だけ、お腹が痛くなるんだろう、と思っていた。

4回目にお腹が痛くなった時は、思わず「このスーツは呪われているんだろうか」とさえも思った。こういう時、どこにお祓いにいけばいいんだろう?と検索さえもした(お寺がいくつか見つかった)。

でも、僕はこのスーツしかないから、スーツが必要な時は、このスーツを着るしかなかった。ストライプのグレーのスーツ。

前に着ていたスーツのパンツが破れて買い直したスーツだった。駅前の量販店で上下セットで29800円。太ることを考えて、少し大きめのサイズにした。もうパンツも破けないように。

だから、中古でもないし、呪われているとは考えずらかった。

もしかすると、腰回りがタイトでお腹が締め付けられて痛くなっているのかも、と思った。でも、そんなことはない。緩めのサイズがかったから。ベルトをしないとずれ落ちるほどだ。

5回目にお腹が痛くなった時は、とうとうもらしてしまった。このスーツのせいで。

僕は、そのスーツを捨てることにした。汚れてしまったということもあるし、何よりこのスーツだとお腹が痛くなるからだ。

そして、今度は隣の駅の違う量販店でスーツを買った。同じく3万円だった。

でも、そのスーツを着てもお腹が痛くなった。

「なんなんだ!」と僕はトイレで憤る。ふんばりながら憤る。

「早くトイレを済まさないと社長報告に遅れてしまう」

「あ」と気づいた。もしかすると、お腹が痛くなるのは、社長報告会がある時だけだ。そして、報告会がある時だけ僕はスーツを着る。

そう考えると、スーツを着ている時にお腹が痛くなるんじゃなくて、スーツが必要な社長報告のせいでお腹が痛くなるんだ。きっとストレスかなにかで。

あー、理由がわかってすっきりした。トイレだけにスッキリした。でも、お腹が痛くなる問題は解決していないけれど。

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以下の記事から発想を得ました

 

anond.hatelabo.jp