眠る前に読む小話

寝る前に1分ほどで読める小話です(フィクションとノンフィクションまぜこぜです。最近テクノロジーをテーマにしたものに凝ってます)。読者になっていただけると欣喜雀躍喜びます あとスターも励みになります!

ランチは1人で行く派の苦悩

私はランチを13時から食べるようにしている。12時だと、会社のみんなと同じ時間になって「一緒に行こう」と言われてしまうからだ。以前は11時30分に行っていたが、それだと朝食からのインターバルが少なく、お腹がすかなかった。会社の多くの人は12時から休みを取るので、13時だと、会議を入れられることも少なくないが、それはそれで「まぁいいか」と思っている。人とランチに行くよりはましだ。

人とランチを行くと、食事をしながら会話を考えないといけない。そんな気を使いながら食べていると美味しいものも美味しく感じられない。「次はどんなネタを振ろう」と考えながら、私の好きな銀むつを食べたくない。味を感じながら食べたいのだ。

そして、自分の好きなお店に行くこともできない。あの担々麺食べたいな、と思っても人に合わせないといけない。私はあの汁なし担々麺を食べたいのだ。

それに、ランチ時に人がいると、小説が読めない。昼休みはご飯が出てくるのを待ちながら小説を読むのが好きなのに、その時間さえも奪われてしまう。私は、あのカカシがなぜ話を喋るのかを知りたいのに。

でも、13時にランチをセットしていても、「たまには一緒にいこうよ」と12時に誘われることもある。非常に辟易する。へきえきだ、辟易。とはいえ、私もいっぱしの社会人。空気を読まずに「いや、1人がいいんで」とはなかなか言えない。しょうがなく、一緒に行く。そして、味もわからない生姜焼き定食をして、何の会話の中身もない、最近みたニュースの話をする。日本のバトミントンって、最近強くなってるんですよーだって。

そんなことで困っていると私に救世主が現れた。部署で1人、私と同じように、いつも1人でランチを行っている高田さんだ。なぜ知っているかというと私が11時30分にランチをいっていた時に、彼も同じくらいの時間にランチにいっていたからだ。11時30分にランチに行く理由なんて3種類しかない。1つは、すぐにお腹が空く人間。もう1つは、混んでいるのを避けたいため。そして、他の人と一緒にランチに行きたくない人間だ。

私は彼に、「一緒にランチに行くふりをして、外で別行動しません」と誘おうと思っている。そうすれば、私は毎回「今日はランチの約束が高田さんとあるんですよ」と断ることができる。そんなことを妄想をしているけれど、実際は、そんな相談なんてできないだろうし、逆にめんどくさいことが増えるだろう。「あの子、いつも高田さんとランチいってるんだって」なんて。

お弁当にしたらしたで、お弁当組と一緒にご飯を食べなくちゃいけないし。いっそのこと「ランチは食べないようにしているんです」といって、食事をしないで仕事を続けようかとも思うくらいだけど、実際のところ、お腹が空いちゃうだろう。

1人専用ランチ食堂なんてあれば、うれしいのに。「私は今日は1人専用食堂に行きたいんで、ごめんなさい」といって断れるのに。

ランチを「人と一緒に行きたい派」の人は、「1人で食べなさいよ」という苦労もなく行きていけるのに「一人で行きたい派」だけがこんなに悩まないといけないなんて。

あ、でも恋人とランチに行くのは苦痛じゃない。そう考えると、ランチに誘ってきてくれる人を全員恋人にすればいいのかも!

 

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今回は以下の記事にヒントを得ました

 

www.goodbyebluethursday.com