寝る前に読む小話

寝る前に1分ほどで読める小話です(フィクションとノンフィクションまぜこぜです)。読者になっていただけると欣喜雀躍喜びます

閉園するテーマパーク

北九州市のテーマパーク「スペースワールド」が閉館するらしい。一度も行ったことのないそのテーマパークだけど、なぜか自分の胸が痛む。

そのテーマパークで生まれた思い出や出会いなどを想像する。ここにデートで行った人もいるだろう。あるいは、ここで家族の思い出を作った人もいるだろう。きっとソフトクリームも売っていて、こじんまりとしたゲームセンターもあるだろう。当然、ワニワニパニックも。

そんな人々の思い出を想像し、その思い出の場所が取り壊される事に心を痛める。

それと同時に私は閉園したテーマパークにも惹かれる。

2009年に大阪の大きなテーマパーク「エキスポランド」が閉園した。万博のバブルの匂いを残したその図体は、昭和の匂いがして好きだった。

閉園したそこには雨に晒された動物の玩具たちがあり、色あせた遊具たちがあった。それを眺めているだけで、なんだか落ち着いた。だから最近の跡地の再開発は残念だけれど。

倉敷チボリ公園の跡地も心が安らいだ。まるで「兵どもが夢の跡」といった風情で、当時の賑わいを感じさせる遊具や場所は、さながらローマのコロッセオのように風格を感じさせた。色あせた姿が、その勇姿を一層際立たせた。

なぜ、私は閉園したテーマパークに惹かれるのだろうか。

それは、きっと自分の未来をそこに重ねているのかもしれない。1人で年を取る。

若い頃のように友達は遊んでくれない。周りでは一緒にいてくれる人もいなくなる。すべては過去の栄光となる。そんな自分の老後を、閉園した遊園地に重ねて、そこにやすらぎを求めているのかもしれない。

- その色あせた姿は悪くないよ

と自分で確かめるように。