相席屋からのシェアブーム
昨年あたりより「相席屋」が話題になっている。名前の通り「相席」をする飲食店だ。
ただ、普通の相席と違うのは「男女で相席になる」ということ。いわば、飲食店で即席コンパが開催される。気に入ればそこで話続ければいいし、気に食わなければ別のテーブルにいけばいい。女性は飲み食いがただで、男性が負担するという料金体系が多い。このような出会いを生む相席屋が話題となった。
そのブームをうけ、2017年は、あらゆるものが「相席(シェア)」されることになった。
まずは、オフィスシェアが始まった。といっても、すでにあるようなオフィスの空き机を他の会社に貸すのではない。夜間、使ってないオフィススペースをそのまま貸し出すのだ。よって、朝から夜までの会社と、夜から朝までの会社の2種類の会社が同じ机をシェアすることになった。
そしてラブホシェアも始まった。クリスマスなどのイベント時期や週末はどこのラブホテルもいっぱいだ。そこで売上を増やしたいラブホ業界は「部屋を他のカップルとシェアする」ということも始めだした。それによって「自分たちの行為を見られたい」というカップルに大人気で、そのブームは加熱した。
もしそこで妊娠したカップルがいたら赤ちゃん用具もシェアしただろう。ゆりかごやベビーカーをも。
そして、ブームのピークが、お墓シェアだった。お墓の敷地は足りないのに、お墓の骨壷はスペースがあるということに着目した業者が、お墓の骨壷をシェアしだした。これも、節約を重視する人たちには大ヒットだった。また「芸能人とのお墓シェア」キャンペーンまで誕生した。
まさに20世紀の「ゆりかごから墓場まで」の社会福祉のスローガンは、100年の時を経て、「ゆりかごから墓場までシェア」の時代になった。