福袋的な何か
毎年、お正月のニュースを見ていると「福袋」の話題がでる。
よくできた仕組みだな、と思う。世の中には「福袋的な買い方」が好きな人がいるのだ。
たとえば、109の福袋でいえば、「109のブランドであればどこでもいい」という人たちがいて、そういう人たちには109の福袋で、109の服を安く買えるのはいいのだろう。他にもスタバの福袋やロキシタンの福袋などもこちらに該当する。
他に「中身に興味がないもの」という場合にも福袋は向いているのだろう。たとえば、友達の家にドーナッツを差し入れするとする。その時には、ドーナッツのお店の「いろんなドーナッツの詰め合わせ」という福袋はお買い得だろう。自分にとって「どのドーナッツか」というのはあまり興味がない(しいていえば自分が食べるものはこだわるかもしれないが)。だったら盛り合わせの方が楽ちんだろう。しかも安い。一石二鳥である。これはカルディなどの福袋が該当する。
こう考えると、福袋は「強烈なブランド・ロイヤリティを持つ商品」か「ロイヤリティを持たない商品」に向いているのかもしれない。しいて付け加えるならば、家電量販店の換金性の高い商品の福袋も人気があるが、これはまた別のお話。
企業側にも福袋の価値がある。よく言われるような、在庫処分だ。そういう点で企業にとってもうれしい。よくできた仕組みだ。
これをもっと他にも展開できないだろうか、と思う。
たとえば就職活動。「商社で働けるなら、どこでもいい!」という人がいれば複数の商社の内定通知書が入った福袋通知書を購入することができる。
ただ、これだと就職活動者は「1社」にしか入社できないので、あまり福袋としての価値はないかもしれない。それよりも、むしろ逆の方がありえるかもしれない。「この大学を出た人10人をまとめて採用しませんか」みたいな。
あ、これって「大学の推薦」じゃない。すでにありました。
恋愛はどうだろうか。恋愛も1対1の関係性の話だから、「まとめて」といった福袋はあまり親和性がないかもしれない。ただ付き合う手間として、「とりあえず10人とデートしてみませんか」というデート権のまとめ売りならあるかもしれない。あ、これって、婚活パーティか。
なんだ。実は世の中には「福袋」という名前はついていないけれど、福袋と同じ仕組みのものが既にあったんだ。