眠る前に読む小話

寝る前に1分ほどで読める小話です(フィクションとノンフィクションまぜこぜです。最近テクノロジーをテーマにしたものに凝ってます)。読者になっていただけると欣喜雀躍喜びます あとスターも励みになります!

Airbnbを使う人は、絵画にご注意

一週間、京都に行くことになった。AirbnBというサービスを使うことにしたんだ。

ホテル代わりに人の家を借りることができる。ホテルよりも安く借りれるそうだ。

良さそうな部屋を予約して、京都駅からそこに向かう。京都駅から少し歩いたけれど、部屋はきれいな部屋だった。洋風の1LDKで鴨川にも歩いていける部屋だった。

でも1つ気になることがあった。

その寝室には洋画が飾られていた。踊っている女性が描かれていた。最初は特に気にならない絵だった。「踊ってるなー」みたいな。

でも、ある時に気づいたんだ。その絵の「目」が動いていることに。

最初の日は、その目はまっすぐに見ていた。でも翌日、散歩から帰ってきたら目が右を見ていた。

最初は「気のせいかな」と思った。黒目も小さいし。誰も目が動くなんて思わない。

踊っている絵だから、目がまっすぐでも、右でも左でもそんなに違和感はない。

 でも翌朝、その絵を見たら、左を見ていた。昨夜「右を向いている!」と思ったから、今度は間違いはない。「目が動いている」。

ただ、それでもそんなこと信じたくなかった。借りてる部屋だし、そもしも絵の目が動くなんて信じられない。そんなこと学校で習わなかった。だから、写メを撮って翌日見てみたんだ。すると、写メの絵は左を見ているのに、絵画を見ると右目を見ている。

思わず「ぎゃー」といって携帯を落としてしまったよ。

その時だった。俺の声に驚いたのか、目が瞬きしたんだ。これはびびった。目の前で絵が瞬きする。それは、相当くるぜ。

俺は思わず気を失ったよ。

そして、起きた時には、今度は「目」はなかった。でも真っ暗じゃない。それは空洞だったんだ。目に指を入れるとそこは穴が空いていた。

僕が絵画と思っていた目は、人間の覗き穴だったんだよ。きっとこの部屋のオーナーが変態で、人を覗くために作った穴だったんだろうな。

もし、Airbnbを使う人がいたら、絵画を飾る部屋を借りるのは気をつけた方がいいよ。

※フィクションです