1985年はどういう年だった?
東京女子図鑑をAmazonプライムで見ていた。
一部で話題になっているドラマで、もともとは雑誌「東京カレンダー」の連載だったもの。それが人気でドラマ化された。
ストーリーを引用すると以下だ。
主人公・綾が23歳で上京してから40歳になるまで、東京だからこその価値観や事象に翻弄されながらも強く生きる女性の人生模様を、その時々に暮らす街を背景に恋に仕事に、悩みつつも成長していく過程を描く。
三軒茶屋や恵比寿など東京カレンダーでおなじみの街とレストランを舞台に、1人の女性の生き様が描かれる。
その中で、ある面接のシーンが描かれる。そこで、このような質問がでる。
「1985年ってどんな年だった?」
さて、あなたはそこに何と答えるだろうか。
面白い質問だな、と思った。その人が何に興味があるかわかるし、知識量も見れる。なのに嫌味な質問でもない。
僕は、持っている知識をフル動員して、その年がどのような年だったかを推測した。日本では、まだバブルだろう。いや、高景気の始まりかもしれない。
世界はどうだろうか。ベルリンの壁の崩壊が1989年だから、まだ冷戦の途中だろう。アポロ到達した年は?と思ったけれど、1969年で10年もずれていた。村上春樹がピンボールやってたのは何年だっけなと調べたら1973年だった。僕の記憶はポンコツだ。10年単位での精度しかない。
僕がこの面接をうけていたら落ちているだろう。なんの気の利いたことも言えない。
思わずWikipediaで調べる。
マリオが発売された年だそうだ。日航ジャンボ機の事件もこの年だ。流行語は「私はコレで会社をやめました」。
なるほど、と思いながらも、その自分にとってはうまく具現化できない1985年という年を思った。
でもな、そもそも「2016年がどういう年だった」という質問されても答えられないかもしれない。オリンピックがあったのは去年だったかな。まるで去年生きていたのが怪しいほど記憶は曖昧になる。本当に僕は去年、2016年を過ごしたのかな。
そもそも過去に興味がないからかな、と自分を慰める。なんなら先週、何をしてたかさえも曖昧な僕にとって過去を思い返すのはなかなか苦労する。
それでも「1985年に何かあったか」と想定するのはなんだか楽しい。過去は常に古き良き時代と呼称されるものだけれども、そのように美化した過去を想像するのは楽しい。それは1950年だっていいし、なんなら1200年だっていい。過去のありし日々を想像して、その時代に生きる人達の日常を想像して、少しそこに自分を浸らせる。
すると、少しは現実を忘れた気になって目の前の厄介ごとから気を紛らわせることができる。
1985年はどういう年だった。
誰かと1985年について話してみたいな、と思った。LINEもない。携帯もない。でも街は活気にあふれていて、世界は戦争が終わることのない世界。そんな世界について語り合ってみたいな、と思った。
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なお、物語の答え合わせとしては男女雇用均等法が制定された年でした