眠る前に読む小話

寝る前に1分ほどで読める小話です(フィクションとノンフィクションまぜこぜです)。読者になっていただけると欣喜雀躍喜びます あとスターも励みになります!

囚人が、刑務所の中で一番使いたいインターネットサービスは?

その独房に閉じ込められた囚人たちは時間が余っていた。なんせ労働以外、毎日は同じ日の繰り返しだ。新しい出来事も起こらない。同じ日が、同じ時間が過ぎていく。 ただ、変化もある。話がうまくなっていくのだ。 毎日、同じ話をするにつれ、話術が磨かれる…

2025年、お礼を言わなくなった子供たち

2025年、新聞のある記事が世間を騒がせた。 「お礼を言わない子供たちが急激に増えている」という記事だった。「子供にお礼を言われたか」という定点観測の結果、ここ3年で50%もお礼を言われなくなったということがわかった。 新聞は、いろいろな仮説を検証…

音声起動

「米CIA長官、カショギ氏殺害の音声記録を確認=関係筋 | 」の記事を見て、ミキオは思った。 - ジャーナリストとして、これはヒントになるな。これは、カショギ氏は、AppleWatchか何かで音声を取っていたのだろうか。声を録音し、どこかに送っていたのだ…

Apple watchとタクシーアプリの位置情報が暴いた殺人事件

都内のアパートの一室で起きた話。その部屋では、ある女子大生が家にいた。なぜ家にいたのはわからないが、おそらく休日だったのだろう。あるいは大学生たるもの、家でダラダラしているのが本分だから、講義を休んで家にいたのかもしれない。あるいは体調が…

未来の美人の割合は、今の割合より多い?少ない?

- 100年後の日本はいまより美人が多いと思うか 「どうだろう。ハーフの人はきれいだというから、美人になってるんじゃない。今後、外国の人と結婚することも増えてくるでしょうし」 - そういう話じゃないんだよ。 「どういう話なのよ。メイク技術があがると…

夢で会えたら

「夢に会いに来て」というセリフや「夢みたい」という表現があるが、それは夢の良い面しか見ていない。夢が、目覚めない夢だとしたらどうだろう。それは、もはや悪夢でしかない。 それを体験したのは、旅行から帰ってきた直後のことだった。飛行機疲れもあり…

Spotify

「何を聞いているの」 私が勇気をもってきくと、彼がイヤホンを貸してくれた。耳にすると、なんだか軽快な音楽が流れてきた。 「AmPmって知ってる?」 知らないと答えると彼が言う。 「日本人のアーティストだけど世界中で聞かれてるの。でも、覆面で、誰か…

タクシーの中での電話

地中海のある島を旅行していた。その国ではUberは使えない。だからタクシーを使う。 時差ボケの頭をしゃきっとさせるように水を飲んで部屋を出る。ホテルのフロントに頼んでタクシーを待つ。タクシーを待つ間、日本で残してきた仕事のことを考える。距離が離…

嘘の代償

「男ともだち」という小説でこのようなエピソードがある。嘘をついた日の帰りは果物を買いたくなる、という話だ。 人は生きていれば大なり小なり嘘をつく。「友達と飲んでた」「ごめん、いま起きた」「道が混んでて」「ごめん。明日リスケさせてもらえない?…

hang in there

誰しも生きているとしょぼんとする時がある。 仕事で失敗した時や、好きな子からの約束が破られた時、あるいはお金をなくした時。あるいは、全部がいっせいに起こった時。 「なにやってんだろう」とつぶやく。「どうしてこんなことが起こるんだろう」と思う…

届いてしまったメール

年に1度だけメールをやりとりする人がいる。 年賀状ではない。お誕生のメールだ。相手の誕生日に僕がメールをして、僕の誕生日に相手がメールをする。1年に1度の往復。 そのフラジャイルで曖昧な関係は10年以上続いていた。 出会った頃のようにメールが届く…

合コンであったちょっと怖い話

今週のお題「ちょっとコワい話」 友達から「飲み会いかない」と言われる。よくあるコンパだが、今の時代「コンパ」なんて言わずに、飲み会という。 その日は特に予定もなかったし、何よりコンパは楽しい。昔はコンパは好きじゃなかった。女性全員と等分に話…

デートのお作法

「女性は、いろんなデートの仕方をしってるけど、男性は1つのデートのやり方しかしらないんだよ」 - どういうこと? 「デートは、だいたい男性がリードするじゃん。特に最初のデートは。 場所とか時間とか、お店とか。それに、待ち合わせをどこにするか、メ…

デートの思い出はいつも雨

晴れたらしたいことがたくさんあった。 ピクニック、お散歩、テラスでランチ。 昔の歌で「晴れたらいいね」という歌があったけれど、その歌を聞くと私はとても寂しくなる。 山へいこう次の日曜 という歌詞を聞いて、私は「晴れても、私は山にいけない」と悲…

パクチー理論

- 男はいい女を見たら、すぐに恋するじゃん。女は時間がかかるんだよ と、レイコが飲み会で言っていた。 そうかもな、と思った。 それをレイコは「パクチー理論」といっていた。 多くの人は最初はパクチーが苦手だ。ただ、ずっと食べ続けているといつしか好…

ルイボスティ

起きて「ここはどこだ」と思った。ああ、繁華街のラブホテルだ、と気づく。 クラブで出会った女の子とそのまま駆け込んだラブホテル。2軒が一杯で3軒目にようやく空いていた。少し高かったけど。 そして、気づけば、今だった。朝だった。僕と隣で寝ている彼…

お酒を飲めないから

飲みが嫌いだった。 みんな酔っ払う。同じ話をする。シモネタばかりする。オチのない話をする。 皆は酒を飲む。僕は飲めない。 でもお金は割り勘。僕はみなのお酒の分まで払う。彼らの肝臓を壊すための支払いをしているようなものだ。 世の中に不平等という…

父の呪い

小学二年生頃のことだったように思う。 私はその年頃にふさわしく公園や街を駆け回っていた。いま思い返せばよく車などとの接触事故をしなかったな、と思うけれど、いずれにせよ駆け回っていたのだ。 そして案の定、怪我をした。あの頃の怪我なんて日常みた…

退職の予兆

役職者にとって、社員が退職する予兆を見つけることは大事だ。 「辞める」と辞表がでた時には、もう遅い。その時には、その人の決意が固まってるから。だから、そうなる前に、ケアをすることが大事で。だから、「やめそう」と思ったら、面談を入れて悩みを聞…

テーブルを埋め尽くす飯

「テーブルの上に隙間なく料理を敷き詰めろ」というのが、いつもの男の指示だった。 日本最大手の代理店のエースである彼は、接待にも全力を尽くした。その1つがテーブルを埋め尽くす料理の準備だった。 「この前菜とこのメイン3種類と、この肉に、このチー…

S字クランク

教習所は出会いの場所といわれるけれど、まさか自分が恋に落ちると思っていなかった。 筆記の授業で何回か同じクラスになり、「かわいい子だな」と思っていただけだった。まさか自分からその子に話しかけられるなんて。 それは、実車練習の待合ベンチで座っ…

過去の面影

「性行為で、体内に射精されると、その人の精子が体内に残り、将来、子供を生んだ時にその精子の影響がある」といったホラーのような噂を聞いたことがあった。 そう考えると、大学生の時の彼や社会人1年目の彼の遺伝子が、今の私の子供に宿っていることにな…

歩みが遅い世界

TumblrというWebサービスがある。記事の投稿や写真の投稿などをできるプラットフォームだ。 このサイトで検索をして、検索結果がない場合、以前はキュートなコメントが表示された。 - とてもいい検索だ。でも、世界がまだ追いついていない といったような言…

重ねる年

5年ぶりの友人との再会。 「最近、近所に引っ越ししたんだよ。飲もうよ」と久しぶりいn連絡がきて。「ここで!」と送られてきた肉屋の店に向かう。 URLを見ると、昔の単価よりも1.5倍ほど高いお店。その金額感の伸び具合が自分の年齢の重ね具合に比例する。…

夜の匂い

夜0時。仕事帰り。たまたま空いていたホームのベンチに座る。 ベンチに座る大人になっちゃったな、なんてことを思いながらベンチに座る。携帯をいじる。Twitterを見ていると、隣の席に女性が座る。 そして、しばらくすると、女性が、シュっと、何かの音を立…

ファーストキスの呪い

無理やりキスをされた思い出というのは、なかなか消えてくれないものだ。特に、それがファーストキスならば尚更。 小学校4年生の頃だったと思う。よく遊んでいた公園に私たちはいた。4人だった。男の子2人と女の子2人。 前後の文脈は全然覚えていない。ただ…

パクチー

パクチーというへんてこな存在がいる。名前からしておかしい。パクチー。強烈な印象を残す。異国感が溢れすぎている。 実際に苦手な人も多い。タイに行くというと「パクチー大丈夫?」とさえも言われるほどだ。 私自身苦手だった。そもそもセロリも苦手だっ…

二軒目の前に

その日は会社の交流会だった。 10周年記念のパーティでホテルの会場を借りてのセレモニーだった。 帰り道、飲み足りない僕は同僚に連絡する。2人とも帰る方向が近いので、たまに一緒に帰ることはあったのだけれど、飲むのは初めてだった。 「どこにいる?飲…

そんなつまらないこと

飲みにいこう、と言ったら彼は驚いた顔をしていた。 そして少し間があいて「ぜひ」と笑顔で返ってきた いつもは彼からのお誘いばかりで、私から飲みに誘うなんて初めてだから、驚くのも当然かもしれない。仕事の打ち合わせは私からいつも予定を入れるけれど…

赤みさす頬

おしゃれな人だな、と思っていた。 緑のスーツやピンク色のシャツ。体型に合わせてぴちっと合わせたさせたそれらの衣類は彼の皮膚の一部のようだった。カメレオンのようだったけれど。 だから、彼が色覚障害だとは気づかなかった。 でも思い返せば、免許を持…