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寝る前に読む小話

寝る前に1分ほどで読める小話です(フィクションとノンフィクションまぜこぜです)。読者になっていただけると欣喜雀躍喜びます

風の谷のフンザ

昨日の以下の記事の続き »ユートピア イスラマバードまでは羽田からカタール航空で向かった。途中でカタールで乗り換えて15時間の旅だ。カタールという響きが既にハワイやバンコクとは一線を画する雰囲気を醸し出している。 イスラマバードには、夜ついたの…

ユートピア

この世の中に「ユートピア」ってあるのか、と思った。サウナの名前ではなく、「楽園」という意味のユートピアだ。 楽園でもエルドラドでも呼び名はなんでもいい。ザナドゥでも、理想郷でもいい。 昔、コロンブスが目指した新天地。あるいは、お釈迦様が目指…

ディズニーの行列が嬉しくなる魔法

「ディズニーってさ、たまに行くと楽しいけど、でも並ぶのが嫌だよね」 「わかる。行列は辛いよね。特に夏だと。 じゃあ、いいことを教えてやろう。ディズニーの行列が嬉しくなる魔法だ」 「どういうこと?」 「この魔法をかけると『わぁ行列だー。うれしい…

ヨーグルト

なんだよ、とつぶやいている自分に気づいた。 悔しいので、久しぶりに湯船に湯を入れた。普段はシャワーだけれど、今日は湯船に浸かりたい。 湯が満杯になるのを待ちきれず湯船に飛び込んだ。そして、水の中に潜った。 ドボドボとお湯が入る音が流れる。べち…

鼻セレブ

嗚呼、鼻セレブを買ってしまいました。ちょっと風邪気味で鼻水が止まらなかったのです。 鼻セレブをご存知ない?それは、ちょっと大正すぎます。いま、セレブの最先端は、ジェット機でもなく別荘でもなくティッシュなのです。 ティッシュに金粉とトリュフが…

地名で遊ぶ

最初に東横線沿いに住んだ時にさ、全部の駅名を覚えようと思ったんだよ。英単語覚えるみたいに覚えたんだよ。でも2年も経つと全部忘れちゃった。駄目だね。 やっぱり町はイメージと結びつけて覚えなくちゃいけないよね。渋谷は坂が多いから「渋谷」みたいに…

空気を吸うのさえも嫌がる潔癖症の彼

潔癖症な人だった。 まず、電車の吊革を持てなかった。だから一緒に電車を乗る時には、彼を支えたものだ。 「公衆トイレではどうしてるの?」と聞いたら、お尻が便座につかないように浮かせているらしい。その時に私は、彼の太ももの筋肉が発達していた理由…

おにぎりカフェ

近所に「おにぎり屋さん」ができた。美味しいおにぎりを売っているお店だ。昆布とか、たらことか。なんだか気の利いた具の。1個200円くらいとお安い。 お米は、玄米と白米を選べる。ノリもしっとりしていて美味しい。きっと良いノリを使っているんだろうな、…

次回のランチ

会社を辞める人がいて、一緒にランチをした。 「なんで辞めるの、これからどうするの」といった定形的な質問を繰り返した。営業の仕事をしている彼女はキャリアアップのため、外資系の会社に移るそうだ。すごいな、という感嘆とともに、軽やかに会社を移れる…

その目の下にあるもの

同僚に「くまがひどいね」と言われた。 昨夜は寝るのが遅かったからだろう。期末は何かと慌ただしい。 トイレの鏡で自分のクマをまじまじと見たが「クマだなぁ」と思った。かわいくない。なんだかお化けみたいだ。そして疲れている感がすごい。 くまという名…

形容詞が言えない男

彼は形容詞が言えない人だった。 意図的というよりも、生得的に形容詞という概念を持っていないようだった。 たとえば、夏の暑い日には「暑い」と表現するのではなく、「スタバで涼んでいこう」と表現する人だった。試験後の徹夜明け「眠い」というのではな…

私は恋をする能力が欠けている

私は恋をしたことがない。 中学生や高校生の頃から、周りは"恋"というものにわーきゃーを言っていた。 - 誰々君と目があった - 誰々君と付き合うことになった - 誰々君と相性いいんだ いま考えれば、「目があっただけで喜ぶ」「男性の触ったハンカチを触って…

バスの最終停留所にある家に生まれて

私の家は、高校からバスに乗って30分乗った場所にあった。バスの最終停留所だった。 駅から歩いて帰るには遠いので、私は高校にバスに乗って通う日々だった。坂の多い町だから自転車はあまり乗らなかった。 バスのいい思い出はあまりない。寒い冬に待つバス…

全力父さん

父は手加減というものを知らなかった。常に全力だった。 母親は私によく言ったものだ。 「父さんが、あなたを『たかいたかい』とすると、あなたは2メートルは空に飛び上がっていた。母さんはそれ以来、お父さんに『たかいたかい』はさせなかったのよ」と。 …

叫び

※ちょっと怖い話系です。 「変な奴がいる」と思い、携帯から顔を上げた。変な声が聞こえたのだ。 その人は車両の真ん中あたりにいた。 女性のような長い髪の毛と赤いドレスを着た人が、何かを必死で叫んでいた。顔は見えないけれど、全身を震わせながら何か…

満員電車の解決方法

満員電車はもはや現代の町の病である。治る見込みのない病。オフピーク通勤が始まったところで、田園都市線の混雑は何も緩和されない。 しかし、2018年、ある鉄道会社が行った試みが時代を変えた。その試みによって、朝の満員電車が驚くほど解消された。それ…

食事中の携帯はマナー違反?

食事をしている時に携帯を見るのはマナーが悪いとされている。そのため、「品の良い女子」は、食事中は、携帯をカバンに入れたまま出さない。 テーブルの上においていると連絡がきた時に見てしまう。だから、「品の良い女子」は、カバンに携帯は入れたまま。…

雪の思い出

この週末、日本列島に強烈な寒波が訪れた。東京では、晴れているのに雪が降った。日本海側では大きな積雪となった。 テレビで雪のニュースを見る度に思い出すことがある。私の生まれ育った町の雪だ。 北陸のその町は、雪がよく振った。私が住んでいた町は山…

スマホを落としたくない場所ランキング

いまや誰も彼もスマホを持つ時代。猫も杓子もスマホである。正確には、猫もスマホは持たないし、杓子に至っては、スマホを持つ方法もないけれど、ともかく多くの人がスマホを持っている。 スマホを持っているということは、スマホを落とすということと表裏一…

アフリカの旅行者ノート

アフリカを旅行していると「旅行者ノート」というものがある。日本人がよく泊まる宿においてあるノートで、そこに旅行者たちが情報を書き残している。 ビザの情報や美味しいレストランの情報、あるいは、電車やバスの情報など。ビザの情報などはインターネッ…

雨の日

雨の日だった。 雨の日に、白のジーンズをはいている男性がいた。 その日は雨だから、足元が汚れる。白いジーンはなおさら汚れる。 それでも、彼は白いジーンズをはいていた。 わざわざ今日履かなくとも、と思うけれど、きっと彼なりのポリシーか、理由があ…

メニューと違うものがでてくるレストラン

その店では、頼んだメニューと違うものがでてきた。 そもそもはその店はメニューなんてなかった。座れば、何かが出て来るのだ。 「今日のあなたにおすすめ」という感じで、その人の雰囲気にあったものがでる。ただし、実際のところは「今日の買いすぎた食材…

炭酸抜きコーラ

普段は、「七夕に願いをなんて、非科学的な」とか思っているのに。いざ風邪をひくと、思わず「ネギを喉にまこうかな」と民間療法に助けを求めちゃったりする。 風邪を引くと、心が弱くなるのだ。 藁をもつかむ思いで、「これいいよ」という話に飛びついてし…

もしも無意識にテレポートしてしまったならば

子供の頃、「もしも、うっかりテレポーテーションをしてしまったらどうしよう」と不安に苛まれていた。 どこでもドアのような意識的な移動ではなく、無意識の移動だ。ふと気づいたら自分が知らない場所に移動している、とでもいうような。 もちろん、それが…

頑張ろう

年末にライブがあって参加した。 そこまで大きな箱ではなかったので、ミュージシャンとの距離は近く盛り上がった。内容に何の不満もなく終わった。 ただ、帰り道にふと思い出した。 終盤、ミュージシャンは「来年もがんばりましょー」と叫んでいた。そして、…

祈り

日本で生きていると、漢字を使った訓話を耳にすることがある。 たとえば、ある格闘技の先生は言う。 - 武道の武という字は「矛(ほこ)」を止める」と書く。すなわち、武道とは争いを止めるために手段であったのだ - 忍というのは、心の上に刀を置く、と書く…

誕生日なんておめでたくない

「お誕生日おめでとう」という言葉に違和感を感じていた。 そういうと、こじらせた「中二病」のように聞こえるけれど、僕にとっては、結構、重要なテーマであった。 どういうことか。 人は言う。「お誕生日おめでとう」と。それの「何がめでたい」のかがいま…

電気を消せる人、消せない人

世の中の人間が2種類に分けることができるとしったのは、20歳を超えてからだった。 その2種類とは、「電気を消せる人と消せない人」だ。 これは、いわゆる、母親が子供に言う「部屋を出る時は電気を消しなさい」「トイレは使わない時は電気を消して!」とい…

何に期待してるの

仕事からの帰り道。週末。時間は終電近く。 冷えたレンガ道を塞ぐように歩く4人。2人の男と2人の女。年齢は20代なかばだろうか。若いが、新卒に見えるほど新鮮さもない。 4人が固まりで歩いているところを見ると、グループだろう。同僚か、友達か、それ以外…

1年の速さ

あっというまに正月が終わり、そして1月が終わり、春がくる。そして夏がきて冬がきて1年が終わる。 予定調和の1年。絶対に違うことのない一年。 ただ、若い頃と違うのは、「1年の過ぎるのが早い」という感覚だ。これに関して、このような分析を読んだことが…

福袋的な何か

毎年、お正月のニュースを見ていると「福袋」の話題がでる。 よくできた仕組みだな、と思う。世の中には「福袋的な買い方」が好きな人がいるのだ。 たとえば、109の福袋でいえば、「109のブランドであればどこでもいい」という人たちがいて、そういう人たち…

初夢みた?

「ねぇ、初夢みた?」 ベッドから起き上がりカーテンをあけて女が言う。男は、目をつむりながら答える。 「うーん。みたかな。覚えてないな」 女は布団に入り込みなおす。 「私は見たよ。ある男がいるの。その男には恋人がいるの。 でも、年末に元彼女から連…

おみくじで

告白は男性からするもの、なんて古い。そんなの昭和の話だ!、と思うのだけれど、なかなかそうは言っても女性から男性にアプローチするのはなかなか抵抗がある。 だから、ミサキがタカ君に積極的になれないのもわかる。でも、アタックすればきっとうまくいく…

年越しそば

「ねえ」と、そばをすすりながらミキが言う。 「年越しそばってさ、なんでそばなの?」 「そばは切れやすいでしょ。だから、『その時の厄災を断ち切る』みたいな願掛けがあるみたいだよ。 あと『細くて長い』ということから、長寿を願ったっていう説もあるみ…

撮影した記憶のない3枚の写真

「大掃除をしなきゃ」と写真を整理していた。といっても現像した写真ではなく、Google photoにアップロードしたデジカメの写真の整理だ。 すると、撮影した覚えのない写真が紛れ込んでいるのに気づいた。アイスクリームの自動販売機、コーヒー、そして、手の…

鬱じゃない人はおかしい人?

「「抗うつ剤を飲むと根拠のない自信が湧いてくる。つまり、正常な人は根拠のない自信が常に満ち溢れている」という事実」という記事を興味深く読んだ。 そこでも紹介されているのが、「鬱の人の方が現実を正しく認識している」という研究結果だ。それの真偽…

絶好調!

あなたは人から「最近どう?元気?」と聞かれたらどう答えるだろうか。 元気ならば「元気!」と答えるし、もし辛い状態にある人は「うーん。あんまり元気じゃないかも」と答えるかもしれない。 ちなみに英語でも教科書の通り「How are you?(お元気?)」と…

未来

仕事で20年後の事業プランを検討していた。 ・AIによって人間に求められるスキルが変わる世界 ・ロボットが我々の代替をする部分とロボットの限界 ・広告のリコメンデーション精度があがりもはや広告ではなく情報になる世界 ・教育格差とそれによる富の再生…

イタリアンとフレンチの違いって?

でてくるパンにバターが添えられていたらフレンチ、オリーブオイルならイタリアン。 そんな区別はどうでしょうか。

メリークリスマス

サービス業をやってると避けられないけれど、それども毎年一番つらいのがクリスマスだ。 クリスマスで、幸せそうなカップルたちを見ながら注文を聞き、お酒を注ぎ、お見送りをする。もちろん、恋人たちの幸せの支援をできることはうれしい。ただ、かたや自分…

元恋人と過ごすクリスマスイブ

今年は連絡がないな、と思っていた。「いつもなら、そろそろ連絡があるのに」と12月の3週目くらいからそわそわしていた。 彼とは今までに4回一緒のクリスマスを過ごしてきた。付き合っていた時の2回と、分かれてからの2回。 2年前の9月に分かれてから、1人で…

忘年会と年末進行

年末進行、という四文字熟語がある。広辞苑にはのってないようだが、Wikipediaには載っている。 1月中旬 - 12月中旬頃にかけてスケジュールが詰まってくる現象のことである。 と定義される。 すなわち、年末年始の休みを取るために、普段よりも12月に仕事が…

クリスマスに1人で吉牛

どんな人が好きなの?と聞かれて、「クリスマスに1人で吉牛を食べるような人」と答えたことがある。 それは、ウケを狙ったわけでもない。実際の話なのだ。 - 私はクリスマスに吉牛でご飯を食べるような人を好きになったことがある。 もう5年も前。私はOLで。…

好きな人の匂いだけ

「濃い匂いの人がいるな」と思っていた。小学生高学年の頃だ。まるで、その人だけ濃い色彩のように、私の鼻には、その人の姿が濃く匂っていた。まるでゴーギャンの描く絵のように濃い匂いだった。 「濃い匂いの人」が「自分の好きな人」だと気づいたのは高校…

タイムマシン

タイムマシンがあればいいのに、と思った。タイミマシンがあれば、こんな辛い時間を飛び越して未来にいけるのに。でも未来に行っても、私の心は私と一緒にいるままだから、辛いままなのかな。 昔、友達が「タイムマシンを見せてあげるよ」と、言っていた。 …

雑巾

雑巾を絞るという作業が嫌いだ。 理由は特に無い。なんだか理由なく嫌いだ。 なんだか手が臭くなるし、何より雑巾が臭くなる。その臭い雑巾を部屋においておくのが嫌だ。 ゆえに、私は雑巾を絞らないという生き方を選んだ。部屋で拭き掃除をするときは雑巾を…

パルミラ

お前たちの中には、パルミラに行ったことのある奴はおるか。手をあげてみぃ。 何人かおるな。お前らは幸せじゃ。あの神殿を生で見れたんじゃから。 そいじゃあ、パルミラの話をしよう。 この街は、お前らも知ってる通り、シリア砂漠にある。紀元前3年頃から…

モノは語る

2009年に島根県の女子大生が殺害された。遺体が山中で見つかったのだ。 しかし、容疑者は見つかることがなく7年が経った。 そして今年の12月に動きがあった。犯人と思われる男が見つかったのだ。ただ、それが通常の事件と異なるのは、彼がすでに死んでいた、…

閉園するテーマパーク

北九州市のテーマパーク「スペースワールド」が閉館するらしい。一度も行ったことのないそのテーマパークだけど、なぜか自分の胸が痛む。 そのテーマパークで生まれた思い出や出会いなどを想像する。ここにデートで行った人もいるだろう。あるいは、ここで家…

冬の朝

あー寒い。冬は寒いからやだね。早く春にならないかな。 そんな毎年つぶやいているようなセリフを吐く。もし、冬が聞いていたら気分を害するだろう。ごめん、冬。 でも、そんな冬に毒づく僕に代わって彼女は言う。 私は冬も好きだよ、と。 会話が盛り上がる…